こんなに不安です…妊婦の情緒不安定を安心に導く方法
『妊娠』、一般的に女性にとって、またその家族にとって、とても幸せなことです。
しかしながら、妊娠時期において、いわゆるマタニティブルーといわれる大変憂鬱で、情緒不安定な経験を課される時期とも言われています。
どうして妊婦は情緒不安定になるのか。
その時、家族はどう接したらいいのか。
この先訪れる新しい家族との未来のため、少しでも妊婦さんの情緒不安定が安心になるよう導きます。
このページの目次
マタニティブルー〜誰でも妊婦になると情緒不安定になるのか〜
妊娠した女性全員が全員とも情緒不安定になるのかというと、人それぞれ差はあれど、全員がなにかしら不安定になります。
この妊娠時期には身体的にも変化があり、いくら本人の気持ちが安定しているといっても、身体的な負担が加わりますので心身ともにバランスを崩しやすくなります。
中には、うつ病になってしまう女性もいます。しかし、周りの心無い声や圧力により、病気の手当てがなされない場合もあり、適切な処置を行われず、つらい思いを抱えたままの妊婦もいます。
妊娠は大変なことだけれども女性ならその大変さを乗り越えてあたりまえ、などと未だに言われることもあるのです。
最近では、産休育休を取得できるなど、外で働く妊婦に優しい会社も増えてきてはいますが、中には、妊娠すると降格させて本人を退職に追い込むなど、マタハラと呼ばれる妊婦に対してのハラスメントもあります。
残念なことに、身体的負担もありますから、それを心配した上司が部下である妊婦の業務を軽くしたことにより、自分は必要の無い人間だと勘違いし、心理的に不安になり、ますます情緒不安定になる妊婦もいます。
また、妊娠すると妊婦の実家が近いと心理的に安心するとも言われていますが、そのためプレッシャーが強いと感じてしまう妊婦がいるのも事実です。
この逆である、実家が遠い・帰られないなどといった寂しい思いも加わり、ますます情緒不安定になってしまう妊婦もいます。
妊婦じゃなくても情緒不安定!
ところで、情緒不安定ってどういうことだと思いますか?
妊婦も妊婦でない人にも当てはまる『情緒不安定』です。
例えばこんなことでしょうか。
何をするにも不安が付きまとう。家の鍵閉めたかしら?
イライラする。どうして自分が並ぶレジは遅いんだ!
よく眠れない。夜中に何度も目が覚める…。
起きられない。起きることがしんどいと感じてしまう…。
すぐに泣けてくる。少し人と話しただけで、ポロポロ。
ものすごく食べ過ぎてしまう。食べなきゃ食べなきゃ、と思って。
パニック状態になる。いつもの行動をしていて少し間違っただけなのに。
笑えない。いつもならとても楽しいことなのに全然楽しくない。
…ざっと、このようなところでしょうか。
他にももっとたくさん色々な事例があると思います。
また、年齢や性別や環境によって上記の事例でも度合いが異なると思います。
そう、人それぞれです。
妊婦でも妊婦でなくても情緒不安定になることって沢山ありますよね。
妊婦は性別が限られていて、年齢もある程度決まっていますが、情緒不安定については男女共に様々な年代の方々が経験していることです。
おおかたの人は時々、情緒不安定になりませんか?
それに、まわりに情緒不安定な人もいますよね。
妊婦は情緒不安定と戦っている
妊婦だけの情緒不安定とは何でしょうか。
たとえば、つわり。
妊娠初期から出産直前まで続く人もいます。
つわりとはどのような症状か。
分かりやすい症状としては、嘔吐・頭痛・だるさです。これ以外もあります。
想像してみてください。
嘔吐・頭痛・だるさが毎日です。このような状態だと誰でも、身体的にはもちろん、情緒不安定になりますよね。
しかも毎日、です。
このつわりを持って、お仕事をするのです。
学生であれば、学業等とつわりの両立です。
主婦であれば、毎日の家事等とつわりの両立です。
役割以外に普段なら楽しめるプライベートの時間もつわりがあります。
つわりに加えて、身体的な変化も伴います。
これも人それぞれですが、分かりやすい症状は、お腹辺りが張って膨らんで重くなることと、胸が張ることです。
学生であれば、頭痛の中、勉強をしつつ、お腹が重くなり、友達と遊びに行き、嘔吐を繰り返し、アルバイト時でも頭痛や嘔吐、お腹や胸が張り続けるという状態です。
会社員であれば、重いお腹を抱え満員電車に乗り、営業先で嘔吐し、頭痛とだるい体調でパソコンをたたく、といった状態です。
重複しますが、役割以外に普段なら楽しめるプライベートの時間もつわりがあります。
想像するだけで、気分が悪くなってきませんか。
大変な状態です。
これに、普段の悩み等からくる頭痛や体調不良も加わると…
とんでもない状態になることが分かります。
それが、妊婦さんです。
家族必見!妊婦の情緒不安定と付き合うポイント
では、情緒不安定をかかえている妊婦への接し方はどうすればいいのか。
妊婦の家族や大切な人にとって、少しでも妊婦の情緒不安定がやわらいでほしいものです。
前の項目で挙げたように、まずは自分で相手の大変さをを想像することです。
難しいですが、自分の判断ではなく、相手(妊婦)の気持ちに近づけようとすることです。
荷物を持つ…筋力の差によって重い荷物にも軽い荷物にもなりますよね。
相手にとってはどういう荷物になるのか、優しいものさしで考えてみてください。
これは、妊娠したから、ということではなく、できれば普段から心がけておきたいことですね。
さらに、妊婦なので普段より情緒不安定になっています。
この時期は人生で考えると短期間なので、最大限の優しいものさしで接してあげてください。
親しい仲ならではの心遣いができると良いのですが、難しい場合は、優しい口調で何を望んでいるのか聞いてみるのが一番かもしれません。
情緒不安定なのでいつもは穏やかな人でも『それくらい家族なら察して』と言い返されるかもしれません。
『こっちだって、忙しいんだよ!』などと決して言ってはいけません。
メモ帳でもなんでもいいので、1枚用意してどこか分かりやすいところ、例えば冷蔵庫などに貼っておいて、『思い付いたら、気が向いたら』書いてもらうように、優しくお願いしましょう。
情緒不安定の妊婦さんへ
このように、妊婦はとても大変さを抱えているつらい時期でもあります。
ですが、なかなか他人には分かりません。
妊娠されている人は、できるだけ具体的に家族や伝えるべき人に伝えてください。
これは、相手が料理を作ってくれたけれど片づけまでしてくれないことにイライラすることがあると感じる人の例です。
『片づけまでやってほしい』と伝えて、相手も出来る状況だと良いですが、なにやら波風が立ちそうです。
また、片づけくらいは私がしないといけない、と思っているのかもしれませんよね。
しかし、『なぜ』イライラしているのかは伝わらず、『なぜか』イライラしていると伝わることが多いです。
こんな時は『ありがとう』と感謝を伝えて、例えば、『食事は紙皿を使って片付けは捨てるだけにしたい』ことを伝えます。
『普段ならもったいないと思ってしまうけど、かわいい紙皿を使うと楽しい気分になるかもしれないから。片付けも楽だから身体も楽なの。』など出来るだけポジティブな理由を伝えると相手も分かりやすく納得しやすいです。
実際にもったいないかもしれませんが、その時期だけです。
家族は少しでもあなたが楽になることを望んでいます。
宅配飲食料も大いに活用をすすめます。節約されている人は良心が痛むかもしれませんが、ネットスーパーなどは実際の店舗と同額で商品を買えることも多いです。
大変さを抱えているご自身に安らぎを与えてあげてください。
そして、それは生まれてくる赤ちゃんのためにもなります。
この記事のまとめ
- 妊婦が情緒不安定になる事実
- 多くの人が情緒不安定になっている
- 妊婦の大変さを想像してみる〜つわりと両立〜
- 情緒不安定の妊婦との付き合い方
- 妊婦さんが楽になるための策
妊娠中は情緒不安定になりやすく、とてもつらく大変な時期です。
ですが、やっぱり妊娠は幸せなこと。
妊婦さんには少しでも楽しく、そして安らぐ妊娠生活を送っていただきたいです。