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hcgって何? 妊娠検査薬の誤検知が少ない理由とは

   

hcgって何? 妊娠検査薬の誤検知が少ない理由とは

hcgホルモン、という名前を聞いても、それがどんなホルモンなのか、イマイチぴんと来ない…。そうした女性は沢山いるでしょう。

このホルモンは、妊娠に欠かせないホルモンであり、女性の強い味方である妊娠検査薬の判定にも使われているものです。

hcgホルモンと、妊娠、そして妊娠検査薬の関係はどんなものなのか、見ていきましょう。

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hcgって何?妊娠検査薬はどうして誤検知が少ないの?

「もしかして妊娠したのかも…」

そう感じた時、現在では、多くの人がまず産婦人科に向かうのではなく、手軽に手に入る妊娠検査薬でのセルフチェックを行うことでしょう。

市販されている妊娠検査薬は、大抵2回分が入っていて1000円未満ですし、ドラッグストアでも取り扱っているために購入するのに躊躇することもなく、そして何より尿を掛けるだけで簡単に検査が出来るというすぐれもの。

これを使わない手はない、と言っても過言ではありません。
 

ただ、この妊娠検査薬は、何を元に妊娠の有無を検査するものなのでしょうか?

どの検査薬でも「99%以上の正確さ〜」とうたっているものの、何故、誤検知の可能性が無いのでしょうか?
 

ズバリそれは、妊娠検査薬は”hcg”という、特殊なホルモンの検知をするものだからに他なりません。

hCGとは日本語で”ヒト絨毛性ゴナドトロピン”というホルモンの略称であり、通常、妊娠していない女性の体内には存在しないホルモンです。

これが尿の中から検知できる状態というのは、通常”受精卵が着床した”場合のみです。(後に説明しますが、例外もあります)

事実、産婦人科等の病院での妊娠検査も、市販の妊娠検査薬と原理は同じです。

「市販の妊娠検査薬で陽性が出たって伝えたら、病院で尿検査はスキップされた」という体験談が多いのも、これが理由です。
 

hcgは、○○した時にしか現れない特殊なホルモン

では、hcgはどうして”受精卵が着床した”場合にのみ、体内に存在するものなのでしょうか?

それは、hcgは母体――つまり女性側ではなく、受精卵の組織から分泌されるものだからです。
 

卵管内で受精に成功した受精卵は、4日から6日ほどの時間をかけて、ゆっくりと子宮に向けて運ばれていきます。

この間受精卵は、たった1つだった細胞から、分裂を繰り返し、”胚盤胞”と呼ばれるまでに成長します。
 

子宮内に運ばれた胚盤胞は、更に分裂をし、子宮内膜に取り付くタイミングを見計らっていて、受精から5日から7日目、ついに子宮内膜に取り付きます。

この時、胚盤胞の外側にあった”絨毛”という組織が子宮内膜に食い込み、根を下ろすことで、初めて着床となるのです。
 

着床した胚盤胞は、ゆっくりと子宮内膜の中に潜り込み、そこで”胎嚢”という、赤ちゃんを包む袋状の空間と、”胎芽”と呼ばれる後の胎児となる細胞とに分かれます。

そして、子宮内膜に根を張った絨毛は、後に胎盤となり、お母さんと赤ちゃんとを繋ぐ重要な組織へと変わっていきます。
 

hcgは、この絨毛が母体に取り付いた時に初めて、この組織から分泌されるようになります。

hcgが分泌されると、女性の体は妊娠を維持するために黄体ホルモンの分泌を続け、生理が起きないようにするのです。
 

妊娠検査薬はいつから使えるようになるの?

日本国内で一般的に販売されている妊娠検査薬は、尿中に含まれるhcgが50mIU/mL以上であれば、陽性反応を示します。

この検知可能な濃度のことを”閾値(しきいち)”と呼び、通常、妊娠した女性の尿からこの濃度のhcgが検知されるまでには、着床から7日程度の時間がかかります。
 

この日数は、それぞれの周期別の呼び方で見てみると

妊娠周期:妊娠5週間(妊娠2ヶ月目)

生理周期:生理予定日の1週間後

排卵日から数えて:排卵日の3週間後

となります。
 

もっと早くにこの数値に到達する人もいますが、これはhcgの分泌量には個人差があるため、確実性が求められる検査薬として、どんな人でも確実に検知できるよう、この日数を目安にしている事情があります。
 

また、通常の妊娠検査薬よりも閾値が半分の”早期妊娠検査薬”(25mIU/mL)もありますが、こちらも、どんなに早い人であっても着床後から3日ほどかかり、これは生理予定日で言うと”生理予定日の2日前”、排卵日からは”排卵日の2週間後”です。

ただ、国内で販売されている早期妊娠検査薬を購入する場合には、薬剤師の常駐する調剤薬局での問診が必要であり、価格も高いため、海外製のものを代行輸入で購入する人が、最近は主流になっているようです。
 

もし、もともと生理不順だったり、自分の排卵日がいつだったかを把握できていない場合には、排卵日を性交日として予測するといいでしょう。
 

妊娠検査薬が陽性だったら、すぐにでも病院に行くべき?

妊娠検査薬で陽性反応が出たら、いつ頃産婦人科に行くべきか悩む人もいるでしょう。

もし、使った妊娠検査薬が通常のもの――閾値が50mIU/mLであり、定められた日数、つまり生理予定日の1週間後で検査をしたのであれば、すぐにでも産婦人科を受診するといいでしょう。

逆に、定められた日数よりも前に検査をした場合(フライング検査)や、早期妊娠検査薬を使った場合は、産婦人科を受診しても、妊娠と確認されない可能性があります。
 

何故なら、医学的には”子宮内に胎嚢が初めて確認できた状態”を妊娠と定めるからであり、この胎嚢がエコー検査で確認できる大きさになるのは、生理予定日の1週間後(妊娠5週目/妊娠2ヶ月目)以降になるからです。

この時期以降で、かつ正常に妊娠が起こっていれば、エコー検査によって子宮内に胎嚢が確認できますから、晴れて妊娠と診断されます。

更に妊娠6週目以降になれば、胎嚢の中に胎芽も確認できるようになります。

もし、自分がいつ妊娠したのかが分からない場合も、胎嚢や胎芽の大きさから、妊娠週数の逆算が可能です。
 

ただ、妊娠検査薬はhcgの検知能力は認められていることですが、実際にどれほどの濃度であるかが分かるものではありません。

そして、”異常妊娠”が起きている場合にも、hcgは分泌され、妊娠検査薬は陽性を示します。

ですから、陽性反応が出た場合は、速やかに産婦人科を受診しましょう。
 

通常の妊娠以外にも、hcgホルモンが検出されることがある!?

通常の妊娠でない場合でも、妊娠検査薬が陽性になる――つまりhcgホルモンが分泌されてしまう場合があります。これを”異常妊娠”と呼びます。

そのうちの代表的なものが以下の2つです。
 

○子宮外妊娠

文字通り、子宮内膜以外に受精卵が着床してしまうことを指します。

着床場所で名前が変わり、卵管/腹膜/卵巣/頚管妊娠の4種類に分類されます。
 

卵巣から排卵された卵子が、うまく卵管内に移動することが出来ないまま受精し、そのまま腹膜や卵巣に着床しまったり、子宮にまで到達したものの、子宮内に留まれず、子宮頚管に落ちたところで着床してしまうケースもありますが、子宮外妊娠のうち98%は卵管妊娠になります。

受精卵自体は正常であるため、着床場所に関わらずhcgの分泌が始まるため、検査薬では陽性になりますが、受精卵が成長していくにつれて、出血や腹痛などの症状が出ます。

最悪の場合、着床先の部位の破裂で母体が死に至ることもあるので、早期発見する必要があるのです。
 

○胞状奇胎

子宮内膜に着床し、根を張った絨毛が、胎盤を作る過程で異常増殖し、水泡状の細胞の固まりになってしまうものです。

こちらの疾患の場合、hcgホルモンの濃度が、正常な妊娠に比べて異常に高くなることが分かっています。
 

胎盤は胎児の成長に不可欠な組織ですから、これが正常に作られないこの病気では、妊娠の継続はほぼ不可能です。

また、この状態を放置すると、絨毛がんになってしまう恐れがあるため、やはり早期発見と処置が不可欠な病気です。
 

hcg注射での治療を受けている時は、いつ検査薬を使えばいいの?

不妊治療の一つである”hcg注射”を受けている場合も、妊娠検査薬が陽性になることがあります。
 

そもそもhcgは、黄体ホルモンの分泌を促す効果があることには、先に触れました。

黄体ホルモンは、女性ホルモンのうちの一つで、本来であれば、排卵後に卵巣から分泌されるホルモンです。(正確には、卵巣の中にある、排卵された卵子を包んでいた膜が黄体に変化し、そこから分泌されるものです)

このホルモンは子宮内膜を、着床に適した”ふかふかのベッド状”にする他、基礎体温を上げる、乳腺を発達させる、子宮内膜が剥がれ落ちる(生理が来る)のを防ぐなど、”妊娠に適した体を維持する”働きを持っています。
 

しかし、この黄体ホルモンの分泌量が少ないと、妊娠に適した状態を維持できないため、せっかく着床した受精卵を保つことが出来ず、妊娠を維持することが出来ません。

この病気を”黄体機能不全”と言い、いわゆる不妊症の原因の一つです。

この病気の治療方法の一つとして、hcgホルモン剤の注射を行い、卵巣からの黄体ホルモンの分泌量を増やす方法がとられることもありますが、この場合、尿にもhcgホルモンが含まれてしまいます。

つまり、誤検知の可能性が高くなってしまう、というわけです。
 

ですから、hcg注射を行った場合には、10日ほどは妊娠検査薬を使用しないほうがいいでしょう。
 

妊娠検査薬は陽性! でも生理が来た… これは何故?

「妊娠の有無を早く知りたくて、妊娠検査薬を使ったら陽性反応が出た!でも、その後生理が来てしまった…」

そういった体験談を目にしますが、こんな時、一番に考えられるのは”化学流産”です。

化学流産とは、着床はしたものの、その後、受精卵が上手く育たなかった時に起きるもので、多くの場合妊娠5週目、丁度、妊娠検査薬の使用開始時期と重なります。
 

着床したことから、hcgホルモンの分泌が始まるために検査薬は陽性になりますが、受精卵の成長が止まれば、同時にhcgホルモンの分泌も止まり、連鎖的に黄体ホルモンの分泌も収まります。

すると、体は「体をリセットしよう」と生理が起きるのです。
 

ただ、この化学流産は、珍しい現象ではありませんし、医学的にも(名前には流産とありますが)”流産”とは別物とされます。

20代の、健康なカップルでも、化学流産が起きる可能性は5割にも上ると言われ、知らず知らずのうちに経験している女性が、とても多い現象です。

言い換えるなら「検査薬で調べたから化学流産が起きたことが”分かってしまった”」だけ、と言えるのです。

調べなければ、普通の生理とそう変わりはなく、少し遅れてきた生理、という感覚しかありません。
 

「では、自分が傷つかないために、妊娠検査薬は使うべきではないってこと?」とは、思わないで下さい。

ドライすぎる言い方に聞こえるかもしれませんが、化学流産は自然淘汰の一つであり、誰にでも起きる可能性があることです。

それに、妊娠検査薬で妊娠の有無を調べることで、自分の取るべき道を早く知ることが出来るという重要な長所があります。
 

妊娠検査薬の結果に、一喜一憂する気持ちは、筆者にもよく分かります。

しかし、そればかりに目を向けてしまうと、その気持ちがストレスとなり、更に妊娠を遠ざけることになりかねません。

まず、自分の気持ちをゆったりと持つこと。それが何よりの近道であることを忘れないようにしましょう。

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