発熱で子供が震える!緊急性を見極めるチェック&家で出来る対処
子供の発熱。「良くあること」とは言われますが、高〜い体温の表示された体温計を見るととっても心配になりますよね。
本人は元気な感じだったり、ちょくちょくあることだし・・とはいえ、やはり『危険なライン』は知っておくべきです。何℃からが注意すべきかに加え、子供の様子もよく観察しなければなりませんね。
発熱のせいで子供の様子がおかしいなと感じる初めの仕草は、まず『震える』こと。子供の震えや痙攣を目にした事のある方は結構いるのではないでしょうか。初めてなら、この様子に冷静ではいられなくなるかも・・。
慌てて適切な対処が出来なくなるなんてことを防ぐため、是非チェックして欲しい点についてご紹介します。
このページの目次
子供が熱のせいで震えるとき、わかりやすい『危険ライン』は?
熱による「震え」は、意識のハッキリした状態でブルッときている〈悪寒〉と、寝ていたり意識が朦朧とした状態で起こる、ブルブルとした震えなど、種類があります。
悪寒であれば、単純に体温が高く寒気がするということなので、大きく心配するほどの事はなく、寒くないように対策してあげることで対応できます。
危険視したいのは、意識が無い(急に意識がなくなった、寝ているとき、または朦朧としている)状態で「痙攣(けいれん)」と思われる震えがあったときです。ガクガク、プルプル、ガクンガクン、のような、明らかに異常な体の動きが見られます。
これが、比較的すぐに収まって、様子を見る限りもう起こらなかったり、2、3回はあったが数分で収まったというときは、救急に直行とまではいかないでしょう(あくまで目安です)。
なかなか震えが止まらなかったり、嘔吐しだした場合にはすぐに救急搬送します。救急車を呼んでも構いません。
子供の熱が高く、震えがあっても、緊急を要さない場合とは
基本的に子供の「熱がある」という状態は、体温37.5℃以上になったときです。それ以外にどんな症状があるか親が観察して、かかりつけ医に見てもらうか、救急が必要か判断します。
しかし、まだ子供が小さかったり、1人目で初めての経験であったりするなら、どこからが心配な状態なのか判断が付きにくいものですよね。〈これが出来ていればまずは大丈夫〉という項目を覚えておくと良いでしょう。
まず、食事や水分が取れているのであれば一安心です。 また、心配な「震え」がある場合でも、意識がしっかりしているのであればまず大丈夫。悪寒や寒気の一種です。
それから、熱があっても元気で遊びたがったり、赤ちゃんでもあやせば笑顔が見られたり反応があれば心配ないでしょう。睡眠は取れているでしょうか。いつものお昼寝の時間でなくてもウトウトしたり、ぐっすり眠れているなら、病原体を退治するため体がうまく機能している証拠です。
ただ、夜中など熱があがりやすい時間帯があります。それでうなされて何度も起きる事もありますが、だからといって慌てる必要はありません。昼間に処方された、高熱時に使う解熱剤などがあるときは利用し、それで落ち着くようなら寝かせてあげましょう。
子供が一番落ち着いて眠りに付ける体制に整えて寝かしつけてあげましょう。例えばもし鼻づまりがあったら、座った状態にし、向かい合った状態で抱いてあげると安心するかもしれませんね。
子供の危険な発熱 ―「震え」がなくても専門家に相談したほうが良い場合
診療時間であれば是非受診したほうが良い状態、また夜間や診療時間外であれば電話相談をしたほうが良い場合についてご紹介します。
発熱のせいで食欲が無いのは仕方がありませんが、水分が取れないのは注意が必要です。既に危険な状態のために飲み込むことさえままならないのかもしれませんし、このあと脱水が起きると危険だからです。この場合は点滴などで補給しなければなりません。おしっこが出ないときも、既に脱水に陥っているかもしれないので注意してみてあげてください。
もし子供が3か月未満の赤ちゃんであれば、38℃以上の熱は危ないかもしれません。月齢がそれ以上のときは、41℃に達する場合には受診してください。肺炎を起こしている恐れがあります。
また、熱が急に上がったり、「けいれん」と思われる震えがあったと疑われたときは相談すべきでしょう。
高熱のせいで、おかしな発言、行動、幻覚がある子もいます。かかりつけの医師に診てもらったのに熱が一向に下がらないときも、再度受診したほうが良いでしょう。
遊ぶ元気が全く無い状態、ぐったりした感じが続いているときも同様です。
119番する前に、今の症状が緊急を要するのかどうかが相談できる、日中・夜間の電話相談窓口があります。地域によって番号が違いますので、事前に調べて登録しておくと良いでしょう。
危険!!救急外来に行かなければならない震え、『熱性けいれん』はどんなもの?
緊急に診察を受けなければならない状態は、〈意識が無い〉〈熱性けいれんの恐れがある〉場合です。
この危険な震え、『熱性けいれん』とはどんな症状なのでしょうか。
まず、熱は38℃以上ある上で、以下の症状があれば疑ってください。意識がなく、名前を呼んでも反応がないこと。唇が紫になることもあります。
目は上の方を向いてしまったり、両手・両足を突っ張ったまま2〜3分がくがく震わせる状態です。これらの事が1つでも当てはまったら、速やかに対応しましょう。
これらの反応はすぐに収まり、長く続くことは稀です。しかしこの状態が見られたら、すぐに診察を受けるか、相談窓口に電話しましょう。
自分で出来る処置としては、まず衣服をゆるめて、顔を横向きにしてください。けいれんのせいで怪我をするといけないので、周囲の物をどけてぶつからないようにしましょう。そして反応が無いからといって揺さぶったり頬を叩くなどせず、静かに寝かせ、刺激はしないでください。
また、口の中には何も入っていない事を確認しましょう。けいれんしている時間と様子を良く見ておくことは、後で医師に正確に症状を伝えるうえで重要です。
最後に― 家で対処できる発熱への対応
緊急性が無いようだとわかっても、目の前で苦しそうにしているわが子を見れば何かしてあげたくなるものです。ここからは、「おうちで様子を見てください」といわれた場合の、家での対応についてご紹介します。
高熱で体温があがり、緊急性が無くても悪寒でブルブルと震えているようなときは、布団をかけるなど暖めてあげましょう。熱が上がり続けているとき・更に上がるときは、このように寒さを感じます。熱がある程度上がりきってしまうと今度は暑さを感じるようになります。こうなったら薄手のタオルケットなどに変更し、熱が体にこもらないようにします。
昔は、布団をたくさんかけて汗を一杯出したほうが良いと言われていました。しかし今は、熱がある時は布団は適度に調整するくらいのほうが、体に無理がかからないので良いとされています。空調にも気を使いましょう。寒かろうと思って暖房を入れっぱなしにして、脱水や意識混濁などの二次被害が出ては大変です。
またこの時あまりにも熱が高くて辛いようなら、体を冷やしてあげると気持ちが落ち着くかもしれません。太い血管が皮膚の表面に近いところにある個所を冷やします。わきの下や首周り、足の付け根などに、タオルで包んだ保冷剤などを当ててあげましょう。
この先、このようなことが何回あるかわかりませんので、しっかり対策を頭に入れておきましょう。
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