妊活って一体何するの? 妊娠に繋がる大事な要素とは
そろそろ二人の間に子供が欲しい。そう考えた時に始めるのが”妊活”です。
しかし、いざそれを始めるとなると、「一体何すればいいのか…」と悩むことでしょう。
妊娠に繋がる大切な要素とは何なのか、夫婦それぞれ行うべきことは何か、見ていきましょう。
このページの目次
妊活とは言うけれど、実際何すればいいの?
”妊活”を始めるタイミングは、そのカップルによってまちまちです。
しばらく二人きりの新婚生活を楽しんだ後、そろそろ二人の間に子供がほしいな、と考えた時や、年齢的なこと、収入や貯金、今後考えられるライフスタイルの変化を視野に入れてから取り組むこともあるでしょう。
ただ、一言で妊活と言っても、「果たして妊活とは一体何するの?」と、実際にどういうことをするのが、世間で言うところの妊活なのか、分からないという二人も多いのではないでしょうか?
一般的に言われる妊活とは、単に避妊をせずに、夫婦生活を続けることだけを指しません。
「”夫婦二人で”妊娠するための正しい知識を身につけた上で、そのための体と環境を整え、将来的に自然に妊娠できる状態を作ること」こそが妊活です。
ここでポイントなのが、”夫婦二人で”という点です。
妊娠するのは女性ですから、主役は女性になりがちですが、決して男性に関係のないことではありません。
そもそも妊娠自体、女性だけで何とかなる事柄ではありませんし、健やかな妊娠期間、出産、その後の子育てに続く道ですから、父親になる男性も正しい知識を持たなければ意味が無いのです。
では、実際に二人で妊活を始めるに当たって、何をすべきなのか、どんなことが重要なのかを見ていきましょう。
妊活はどうして必要なのか その2つの理由とは
多くの人が誤解していることですが、妊娠は、実は思っているほど簡単に成功することではありません。
その理由は二つあります。
その理由として、第一に、”タイミングがシビア”であることが挙げられます。
卵子の寿命は、排卵から24時間、つまり1日程度しかありません。加えて、受精に適している時間は更に短く、排卵から8時間程度しかないと言われています。
対して精子の寿命は3日から長くても1週間ほどであるため、言うほど難しくないのでは?と思うかもしれませんが、一度の射精で放出される精子のうち、卵子と出会う場所である卵管にたどり着くのは200個ほどでしかありません。
そして、精子にとって、女性の体内は決して過ごしやすい場所ではありません。寿命は残っていても、卵子を包む分厚い膜(透明帯)を破るだけの力が残っていなければ、受精は叶いません。
しかも例え受精しても、そのまま正常に細胞分裂が始まり、無事に着床に至る確率は2〜3割と、決して高い確率とは言えません。
更に、着床後も、正常に細胞分裂を続け、胎児として認識されるまで成長できるのは、健康な若い男女であっても5割ほどというデータもあるのです。
これが二番目の理由の”確率が非常に低い”ことです。
言ってしまえば妊活は、この”タイミングの把握”と”受精及び着床の確率を高める”ことである、と言ってしまっても過言ではありません。
妊活の基礎 何すれば”タイミング”を把握できるの?
では、まず最初に”タイミングの把握”は何をすべきかについて見ていきましょう。
妊娠にとって一番大切なタイミングは、”排卵日”の特定です。
先に述べた通り、排卵後の卵子の寿命は1日、かつ受精に適している時間は6〜8時間程度しかありません。
この時間までに、精子が卵管に辿り着かなければまず話が始まらないのです。
そのために必要なのが、女性側の”基礎体温の管理”です。
基礎体温は、多くの女性ならばご存知のように、生理周期によって低温期・高温期と二層性に分かれます。
この低温期と高温期の切り替わる時期こそが、排卵日前後になるのです。
排卵のタイミングさえ分かれば、排卵日の3日前ほどから高温期に入るまで(排卵後まで)、積極的に夫婦生活を行うことで、受精確率が高まることが分かっています。
もし、生理周期が安定し、かつ基礎体温を既に管理している人であれば、多少のズレがあっても、排卵日を特定することは容易になります。
更に確率を高めるために、排卵予定日の3日前から排卵検査薬を使うことで、更に受精確率を高めることも出来るでしょう。
しかし問題は、生理周期が安定しない人、基礎体温の管理をまだ始めていない人です。
妊活において、自分の生理周期と基礎体温を把握することは非常に重要な要素です。
何するにも基礎体温の管理は妊活において一番重要!
単に生理周期が安定しない、つまりは生理不順・月経不順と言っても、原因は様々です。
現代の女性の中で一番多いのは、やはりストレスが原因になっているケースです。
ストレスは万病の元ですが、生理にとっても同じこと。これは、体内のホルモンバランスを司る脳の視床下部がストレスに非常に弱いためです。
また、卵巣や子宮自体に問題がある場合にも、やはり生理周期が安定しません。
こうした異常を早期に察知し、ストレスの発散や病気の治療、体質の改善を行うために必要になってくるのが、基礎体温なのです。
しかしこうした話になると、生理の有無や生理周期の安定だけに目を向けて、基礎体温の管理を怠りがちですが、これは大きな間違いです。
生理は起きても実際は排卵が起きていない”無排卵月経”という症状を起こしている可能性もあるからです。
ストレスか、それとも卵巣側の原因かに問わず、長い間排卵がされない状況が続くと、卵巣は卵子を育てる機能を失います。
これはつまり”閉経”を意味します。一度閉経してしまうと、自然に妊娠することはほぼ不可能になってしまいます。
こうなってからでは遅いのです。
そうした異常にいち早く気付くために必要なのが、基礎体温の管理です。
1回の生理周期の日数、低温期、高温期の日数と、それぞれの体温差、排卵の有無など、様々な情報を含んでいます。
妊娠のためのタイミングを計るためだけでなく、無排卵月経を始めとした異変にいち早く気付くためにも、基礎体温の管理を行うべきです。
男性も他人事じゃない! 男性側は妊活で何するべきか?
妊活のポイントの一つ、”タイミングの把握”には、基礎体温の管理による女性の体調を整えることが必要であることが分かりました。
では続いて”受精及び着床の確率を高める”方法について考えてみましょう。
精子と卵子が出会った時、受精を成功させるには、双方の精子と卵子の”質”が重要です。
それぞれの質が良ければ順調に細胞分裂が起きる可能性が高まり、逆に一方、または双方の質が悪ければ、細胞分裂が上手くいかずに成長が止まる可能性が高まります。
ここまでの話から、男性は「どれも女性側の問題で、男には関係ないことだ」と考えてしまうかもしれませんが、そんなことはありません。
男性側も、自身の精子の質を高めなければ、女性を妊娠にまで導くことは出来ません。
事実、WHOの調べでは、不妊に悩む夫婦のどちらに原因があるのかを調査したところ、男性と女性、ほぼ半々の割合で原因を持っている、という結果が出ています。
精子の質は、その運動率とDNAの損傷率にかかっています。
そして、以下の様な要素は、そのどちらをも低下させることが分かっています。
- 肥満
- 飲酒
- 喫煙
- 偏った食生活
- ストレス
- 射精回数の少なさ
- 加齢
- 精巣に対する熱のダメージ
運動率が低ければ、卵子の寿命が尽きる前に卵管にたどり着くことが出来ませんし、DNAが損傷していれば、例え受精までに至っても、正常に細胞分裂が起こらず、育ちきることが出来ません。
女性の妊活において大切なのは○○を避けること!
では女性側ですが、以下の様な症状を持っている場合は、卵子の質を落とすばかりでなく、受精や着床の確率を下げてしまっていると言えます。
- 生理不順や月経異常
- 冷え性
- ストレス
- 肩こりや腰痛などの不調(自律神経の乱れ)
- 無理なダイエット
- 肥満体質
- 喫煙
中でも冷えに関しては徹底的に避けるべき要素です。
体が冷えているということは、血液の循環機能が低下している状態と言い換えることも出来ます。
血液が上手く流れていない状態では、卵子の成熟に影響があるばかりか、PMSや月経困難症、自律神経の乱れと、様々な弊害が発生してしまいます。
このような状態では、仮に受精までは上手くいっても、冷えのために子宮内膜が十分育ちきらず、受精卵が受け止められない、育てることが出来ない状況をも引き起こします。
また、無理なダイエットで必要な栄養素が足りていない状態や、逆に肥満で卵子が成熟しにくい、自律神経の乱れでホルモン分泌に異常が出るなども、妊娠を遠ざける要素です。
※男性側と異なり、女性の飲酒が妊娠能力の低下を示すだけのデータは、現在のところ揃っていません。
ただし、妊活を行っている、つまり”いつ妊娠するか分からない状態”で飲酒を続けることは、胎児にとって好ましいことではありませんから、控えめにするよう心がけましょう。
妊活で、男女が妊娠に適した体を整えるために何するべき?
男性側も女性側も、二人の間に妊娠を望むのであれば、まず、お互いに”健康な体”を目指す必要があります。
- 規則正しい生活
- 適度な運動
- 偏りなく栄養素をたっぷり含んだ食生活
- ストレスを上手く発散する
これ等は妊娠だけでなく、その他の病気を避けるためにも必要な要素です。
それでも、無事に妊娠、出産した後に訪れる、長い子育ての時間を考えれば、生活習慣を改めることは妊活中から行うべきです。
是非、これを機に二人で生活を見なおしてみましょう。
ただ、妊娠を望むあまり、お互いに行為が義務的になったり、ストレスを感じるようになってしまっては、本末転倒と言えます。
自分の子供が欲しいと思うのは、人間として、引いては生物として当然の願望ですが、片一方の気持ちを押し付けてしまっては、夫婦として、家族としての根底にあるべき”愛情”に陰りが出てしまうことも、珍しくありません。
妊活は、やはり子供を宿す側の女性の方が、注意すべき点が多いことは当然ですが、夫婦二人で行うものです。
男性は、女性側のかかる負担を当然としない。
女性は、自分の負担ばかりを強調しない。
お互いに思いやりを持ち、新しい家族を迎えられるよう、しっかり話し合った上で協力して妊活に向き合いましょう。