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葉酸の長期摂取が元で子供に喘息のリスクが!?その真相は…

   

葉酸の長期摂取が元で子供に喘息のリスクが!?その真相は…

妊娠中、葉酸サプリメントを摂取し続けると、お腹の赤ちゃんが喘息になる――そんな噂を聞いたことがある人もいるでしょう。

ですが、これはあくまで葉酸を”長期間過剰摂取した場合”に限る話です。

1日の摂取推奨量、そして耐用上限量を守るかぎり、こうしたリスクは発生しません。

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妊婦の葉酸の長期摂取は子供に喘息のリスクがあるのは本当?

妊娠中の女性や妊活を考えている女性は、葉酸を摂るべき!と言われていることは、ご存知のことでしょう。

葉酸の持つ様々な効果は、体の中の赤ちゃんのみならず、妊婦さん自身に、とてもよい影響を与えてくれる栄養素であるためです。
 

ただ、”葉酸を摂取すると、赤ちゃんが喘息になるリスクが高まる”という話があり、これは赤ちゃんの健康を考えれば、とても無視できるものではありません。
 

実際、この話は本当なのでしょうか?

 

妊娠初期の葉酸の摂取が小児喘息に繋がる危険性は?

他の諸外国はもとより、日本においても、政府(厚生省)により勧告が出されるほど、妊娠初期の葉酸サプリメントの摂取は有効です。

葉酸サプリメントを妊娠初期(妊娠4週目〜妊娠10週目)に摂取することで、赤ちゃんの神経管閉鎖障害をはじめとした先天性疾患や、妊婦さんの胎盤早期剥離、貧血などのリスクを回避できることが、確かなデータとして存在するからです。
 

本来ならば、葉酸をサプリメントのような”栄養補助食品”に頼るのではなく、食事から摂取することが望ましいと言えます。

しかし、現在の日本の食生活では、妊娠中に摂取すべきとされる”400μg(マイクログラム)”はおろか、一般成人の摂るべき”240μg”さえ、食事のみでは賄えなくなってきているのです。

まして葉酸は、水に溶けやすく、熱に弱い性質を持つ栄養素ですから、妊娠初期でつわりが出ている時期に、ただひたすら葉酸が含まれる食材のみを食べ続けるのは、とても大変です。
 

ですから、妊娠初期に、葉酸サプリメントで葉酸を摂取することは、とても効率的であり、先天性疾患のリスクが確かに軽減されることを踏まえれば、必要なことだと言えるのです。
 

そして気になる赤ちゃんの喘息のリスクですが、妊娠初期・前期と言われる4ヶ月までの摂取では、小児喘息の発症に関して危険性などは報告されていません。
 

 

葉酸サプリを妊娠中期も摂り続けると喘息になる、その真相とは

では、妊娠中期以降5ヶ月から出産まで(妊娠週数16週から)に、葉酸サプリメントの摂取による喘息のリスクは高まるのでしょうか?

これはズバリ結論から言うと

”1日の耐用上限量を超えた葉酸の摂取を続けると、小児喘息のリスクが高まる”

であり、

”1日の摂取推奨量を守る限り、小児喘息を発症するリスクは確認できていない”

のです。

つまり、過ぎたるは及ばざるがごとし、という言葉がありますが、葉酸もこの例外ではない、ということです。
 

耐用上限量とは、言うならば”それ以上の摂取は過剰摂取となる”量のことを指します。

通常の人――妊婦に関わらず、大人も子供も、その年齢や状態により、1日の葉酸の摂取推奨量および、耐用上限量が厚生労働省によって定められています。

葉酸の1日の摂取推奨量と耐用上限量は、それぞれ、ある程度体が大きくなってきた10歳からおおむね”240μg”、”1000μg”とされています。

それぞれの数値は、年齢により変動しますが、どの年代もこの範囲であれば問題はないとされています。
 

では、この耐用上限量を超えて葉酸を過剰摂取し続けた場合、何が起こるのでしょう?

それが”葉酸過敏症”という疾患です。

この葉酸過敏症は、体が、必要以上に入ってきている葉酸に拒否反応を起こしだしたことを意味します。

症状は、発熱、蕁麻疹、かゆみ、呼吸障害といったものですが、ここで問題なのは、妊婦が葉酸の過剰摂取を続けると、胎児もその影響を受ける――つまりは出生後に小児喘息としてその症状が現れる、ということなのです。
 

ただ、1日程度、(例えば間違えて)耐用上限量を超えて摂取してしまったとしても、葉酸過敏症の発症および、胎児に影響が出ることはないと言ってもいいでしょう。

何故なら、本来葉酸は水溶性ビタミンであり、多く摂り過ぎても尿などで排出されるのがほとんどだからです。
 
しかし、過剰摂取を繰り返すと、やがて体がその負荷に耐えられなくなり、この疾患を発症してしまうのです。

まして胎児は、母親である大人の女性よりもその許容量は少なく、また栄養を母親からの血液に頼っているのですから、長期間この状況に晒されると、発症するリスクが高まるのです。
 

では、このリスクを避けるために、妊娠中期以降は葉酸サプリメントの摂取は控えるべきなのでしょうか?

それは、少し早計な話であると言わざるを得ません。
 

そもそも、厚生省が妊娠初期の女性に対し葉酸サプリメントの摂取を勧告しているのは、先天性疾患の発症リスクを軽減するためです。妊娠中期以降にはこのリスクはなくなるため、特に勧告は行っていません。

ですから、体験談の中には「主治医から中期以降の葉酸サプリの摂取は必要ない」と言われた、という話も目につきます。

ただ、あくまでこれは”重大な先天性疾患のリスク回避”のためであるだけで、決して妊婦と胎児に葉酸が不要というわけではないのです。
 

むしろ、妊娠中期以降は、女性は胎児と胎盤のために、多くの血液(そしてその中に含まれる、酸素を運ぶ役割を持つ赤血球)を必要としています。

葉酸は、この血液と赤血球を正しく増やす効果があるため、欠かすことができない栄養素です。

だからこそ、妊婦の摂取推奨量は、その他の人よりも倍近い数値が定められている、というわけです。

加えて、葉酸は細胞の正常な分裂・成長を助ける効果を持っています。

つまり、どんどん成長していく胎児にとって、葉酸はとても大切な栄養素です。
 

繰り返しになりますが、、子供に喘息のリスクがあるのは、過剰摂取を続けた場合のみです。

そして葉酸は、適量を守って摂取すれば、他の疾患や早産、低体重児などといったリスクを遠ざけることができる、効果的な成分なのです。
 

 

授乳中の葉酸の過剰摂取でも、喘息のリスクは高くなる?

では出産後、授乳中に葉酸サプリメントを摂取し続けると、子供に喘息が発症することはあるのでしょうか?

これに関しても、妊娠中と同じく、耐用上限量を守って服用するのであれば、そのリスクは生じません。
 

授乳中の女性に対しても、葉酸の摂取推奨量は”340μg”と、通常よりも高い値が設定されています(耐用上限量は1000μgと変わりません)。

何故なら、葉酸の持つ”造血作用”や”粘膜の修復力向上”、”細胞の正常な分裂・成長”といった効果が、授乳中の母親と乳児に必要だからです。
 

ご存知の方も多いでしょうが、母乳の原料は、母親の血液です。その血液を、乳房にある乳腺が母乳に作り変え、赤ちゃんの食事にしてくれています。

その、母親の血液が足りなかったり、十分な栄養素を含んでいないと、赤ちゃんに渡る栄養素は少なくなってしまいます。そして、葉酸が不足した赤ちゃんは、成長が遅れがちになりますし、免疫力も低下してしまうのです。

加えて、出産後で傷つき弱ったた子宮も、葉酸の力を必要としています。
 

勿論、耐用上限量を守る必要はありますが、授乳中もいい母乳を子供に、と考えるのであれば、母乳にいいとされる食生活+葉酸サプリメントの摂取を続けるとよいと言えます。
 

 

葉酸サプリをいつまで続ける?その間の喘息のリスクは?

では、いつまで葉酸サプリメントを摂取すればいいのか、というと、”子育て”の視点のみで考えるならば、離乳食や卒乳の時期が目安になるでしょう。

ただ、卒乳の時期はその家庭での考え方によってまちまちなので、何ヶ月まで、何歳まで、と区切りを付けるのは、あまり現実的ではありません。

それに、離乳食が始まってからは、赤ちゃんも母乳だけでなく食事からも葉酸を得るようになりますから、卒乳前かつ離乳食で上手に葉酸が摂れるような場合は、サプリメントでの葉酸の摂取を終えるのもいいでしょう。

ここで注意したいのは、体の小さな頃は、推奨摂取量も耐用上限量も、大人よりもずっと少なく設定されているという点です。

葉酸の過剰摂取にならないよう、離乳食を与えるときには、その合計の量についても、十分考える必要があります。この時期に子供に葉酸を過剰摂取させてしまうと、喘息、ひいては葉酸過敏症になる可能性があるからです。
 

しかし、本来で言えば、葉酸は単に妊活・妊娠中・授乳中の女性のためだけの栄養素ではありません。

海外では、葉酸を摂り続けることで動脈硬化や心筋梗塞、認知症の発症リスクが下がるという研究結果もありますし、何より葉酸は一生を通して人間に必要な栄養素。

もし普段の食生活の中で葉酸を上手に摂れていない、と感じるならば、葉酸サプリメントの摂取を続けることをお勧めします。
 

 

オーストラリアの研究結果が”葉酸の摂取で喘息のリスク”の噂の出処だった

妊娠中期以降も葉酸を摂取し続けると、子供に小児喘息の発症リスクが高まる――この噂の元を辿ってみると、そこにはオーストラリアのある研究結果が元になっていることがわかります。

その研究とは、”合成葉酸サプリメントを妊娠中の女性が過剰摂取した場合の小児喘息の発症率”です。

そしてその結果は、妊娠後期から飲み始めた場合には2割以上、妊娠中ずっと飲み続けた場合は3割以上の子供が、小児喘息の発症リスクが高くなった、というものでした。

ただ、ここで妊婦に与えられた1日の葉酸サプリメントの量は1000μg、つまり日本で定められている耐用上限量と同じ量です。

そして、実験に使われたのは、”合成葉酸サプリメント”であった点にも注目する必要があります。
 

「耐用上限量を超えていたなら、小児喘息の発症リスクが高くなった」という点は、今まで見てきたことを踏まえると、理解しやすいかと思います。

ただ「合成葉酸サプリメントを使ったから、体によくない影響が出た」と考えるのは、必ずしも正しくありません。
 

そもそも、天然と合成、そう聞くと「天然=体によく吸収がよい、合成=体に悪く吸収も悪い」という固定イメージがありますが、これは少し言い過ぎだと言わざるを得ません。

事実、葉酸サプリメントに関して言えば、その吸収率は天然よりも合成のほうが、体に吸収されやすいことが分かっているからです。
そして、先に触れた厚生省の出している”妊娠初期の女性の葉酸サプリメントの摂取の勧告”についても、摂取すべきと言われているのは天然の葉酸サプリではなく、実は合成葉酸サプリメントの方なのです。
 

「妊婦が飲むならば天然の方がいいのでは?」と感じるでしょうが、天然の葉酸配合をうたう葉酸サプリメントの中にも、葉酸自体は天然であっても、それ以外の栄養素や添加物が合成だったり、農薬を沢山使ったものを原料にしていたり、大量に摂取することでアレルギーを発症する可能性があったりと、様々な商品が存在します。

中には添加物のほうが、葉酸などよりも含有量が高く、悪質と言える商品があることも否定できません。

その点、合成の葉酸サプリメントであれば、吸収力がよく、また天然成分のサプリメントにより引き起こされる別のリスクが軽減できるため、このような厚生省の勧告になっているのです。
 

ですから前述のオーストラリアでの実験も、”吸収されやすい合成葉酸サプリメントの過剰摂取を続けたために起きた”ことであり、「妊娠中に葉酸サプリを飲み続けた」、「合成葉酸だったから」が問題ではないことは、しっかり理解しなければなりません。
 

ただ、だからといって、今度は天然の葉酸が悪い!という話になるわけでもありません。

葉酸サプリメントを選ぶ時には、単に”天然”、”無添加”という言葉のみを見るのではなく、その商品がどんな添加物を含むのか、どんな製造工程や品質管理の元で生産されているか、という点が重要なのです。

日本では、サプリメントに対して、”GMP”という医薬品と同等の品質管理基準を設けている団体もありますから、もし細かく調べることが難しいならば、このマークを基準にするのもいいでしょう。
 

そして、決して「葉酸サプリメントを毎日規定量飲んでいるから、野菜を食べる必要はない」、と考えるのもいけないことです。

確かに葉酸という栄養素については、葉酸サプリメントで補うことは可能です。

しかし、妊活中、妊娠中、授乳中の女性にとって、食事から栄養を摂るという行為は、とても大切なことです。

子供が産まれ、育ち、同じ食卓につくようになってからではなく、今の時点から、食生活に対する姿勢を正す必要があるのです。

あくまでサプリメントは栄養補助食品である、という点を忘れず、上手に摂取するようにしましょう。

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