妊婦が陣痛で救急車を呼ぶのはNG? 救急車を要請する判断基準
妊婦が行きつけの病院へ救急車をタクシー代わりに要請したなんて話があります。
基本救急車は緊急を要する人のためのものであり、妊婦はそれに当たらないというのが一般的な考えです。
妊婦が救急車を要請する判断基準についてご説明いたします。
このページの目次
どうして妊婦は救急車を要請してはいけないの?
破水は陣痛が始まったら子供が生まれるかもしれない、これは充分緊急の出来事だから、救急車を呼んでもいいのでは?と考える人が多くいます。
破水が始まり、かつてない痛みに襲われれば誰だって不安でパニックになります。まして、家に一人だけとしたら、誰にも相談できないので余計不安になります。「とにかく病院に行かなきゃ!」と考えると、救急車を呼んだ方が安心できますよね。
でもあなたが想像しているよりも、緊急度は低いのです。特に初産の場合は、陣痛が始まってから、実際の出産までかなり時間がかかります。つまり救急車を使わなくても、十分かかりつけの産婦人科までいく時間的余裕があるからです。
パニックを起こさないことが大切です。
かといって自分で運転して病院に行かないでください。運転中に突然陣痛に襲われれば、事故の元になります。たとえ近くの病院でも徒歩もオススメできません。家族がすぐ近くにいる人は家族の車で、そうでない人はタクシーなどを利用しましょう。
妊婦が陣痛でパニックを起こさないために
特に初産の妊婦さんにとっては、全てが初めての経験となります。陣痛に破水、ビックリする経験です。パニックを起こさない秘訣は、どのような流れになって出産するかをよく覚えてイメージトレーニングをしておくことです。
まず陣痛が始まります。不定期な痛みであれば、前駆陣痛なので、まだ大丈夫。定期的な痛みだったら、本陣痛です。時間の感覚を測り、かかりつけの病院に連絡しましょう。その際に名前と、診察番号を伝え、陣痛の間隔などを伝えます。その際に、例えば破水や出血、痛みの度合いなど何かおかしな点があればそれも伝えましょう。病院から、来院の指示がでたら、入院用の荷物を持って出発です。
とはいえ痛みのある中で冷静に話せる自信はないですよね。そのため事前に伝えるべき項目メモにして、病院の電話番号と家族の連絡先もしくはタクシーの番号などを記載しておきます。そうすると便利です。
また、入院準備も出産予定日の1週間ぐらい前に揃えて置くといいでしょう。少しはやめですが、赤ちゃんはこっちのタイミングに合わせてくれないので、何でも少し早め、早めに用意しておきます。
妊婦が救急車を要請すべき時は?
本人に意識がある場合は、まずはかかりつけの病院に連絡します。その時、何か異常がある場合は伝えましょう。今までの検診の結果で妊娠の状態や、おなかの赤ちゃんによって、救急車が必要と病院が判断する事もあります。その時は、救急車を要請します。
しかし救急車をタクシー代わりに使う人がいるため、相手も少々警戒気味の事があります。そのためタクシーを使えないのですか?と色々と質問されることもありますが、必ず「かかりつけの病院の指示で、救急車で来るようにと言われました」と伝えましょう。
また妊婦の意識がない時や大量の出血や、赤ちゃんの頭が見えるなどは、やはり救急車を要請した方がいいでしょう。なぜなら、両方ともタクシーで拒否されることがありますし、症状によっては緊急性があるからです。ただし素人判断は危険なので、出来れば一度かかりつけの病院に連絡して、指示を仰いたほうがいいでしょう。
また歩けないほどの痛みがある場合、赤ちゃんがおなかでトラブルにあっている可能性もあるので、もしそのような痛みを感じたら必ずかかりつけの病院に報告してください。場合よっては救急車を要請する必要がある場合があります。
外出先で陣痛を感じたら
妊婦とはいえ、ずっと家の中にいるわけではありません。軽い運動のためにお散歩したり、お買い物に行ったり、することもあります。
そして陣痛は臨月になればいつ始まってもおかしくありません。外出先でも陣痛になることはあるのです。
そのため、外出時には必ず母子手帳と健康保険証を持ち歩きます。破水した時用に大きめのナプキンとタオルがあると便利です。そして前述した陣痛が始まった時に病院に連絡する事項を書いたメモと緊急連絡先も忘れずに。あちこちに電話する必要がありますから、携帯電話のバッテリーも用意しておきましょう。
陣痛が始まったら、まずは座るところを探して痛みが治まるまで待ちます。痛みが引いたらかかりつけの病院に連絡、指示を仰ぎます。もし来院まで時間に余裕があるようなら、一度家に戻ります。家族に連絡をして、迎えに来てもらえるようなら迎えに来てもらいましょう。だめならタクシーを使います。
もし直接病院に行かなくてはいけない場合は、入院荷物は家族に持ってきてもらいましょう。
家族にも出産に関する情報を共有する
自宅で出産する人もいれば、実家に帰る人もいるでしょう。
妊婦さんは出産に備えて、万全の準備を整えたとしても、それを自分で実行できる状況と限らない時があります。
そのため、例えば、病院の連絡先や医師の名前、母子手帳や健康保険証、入院用の荷物の場所、陣痛が始まってから入院までの流れ、陣痛が始まった時の病院に伝えるべき事項をしるしたメモなど、他の家族に共有しておきましょう。そして自分がいなくても、入院荷物や、必要なものなの持ってきてもらえる体制にします。
また家族の誰かが運転手になる場合、その運転手となる人はしばらく禁酒をしてもらいます。なぜなら陣痛は夜中にだって関係なく起こるからです。運転手になる人には、病院の住所をきちんと伝えておきましょう。今はカーナビを搭載している車が多いので、住所がわかれば、病院まで迷うことはないでしょう。
備えあれば、憂いなし。陣痛と破水のパニックで救急車を呼ばなくて済みます。