13週のエコー、4Dなら赤ちゃんの性別や顔、異常はわかるか
通常、妊娠12〜13週以降になると、それまでの妊娠検査で行われていた経膣エコーから、腹部エコーに切り替わり、赤ちゃんの経過観察が行われるようになります。
この腹部エコー(以下、エコー)はその技術の進化により、現在では従来の2Dから3D/4Dエコーまで登場し、赤ちゃんの性別や顔がわかりやすくなったのと同時に、ダウン症などの異変にも気付きやすくなりました。
もし…自分の赤ちゃんに、こうした異変が発見された時は、親としてどう向き合うべきなのでしょうか。
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妊娠13週のエコー 従来の2Dと3D/4Dエコーはどう違う?
近年は技術の進歩の結果、お腹の中の赤ちゃんの様子を、”4D”で見ることが可能にまでなりました。
「でも実際、4Dって普通のエコーとどう違うの?」と疑問をお持ちの方もいることでしょう。
簡単に、現在産婦人科で使われているそれぞれのエコーについて説明すると
2Dエコー
白黒の、平面的な写真のような状態で映るエコー。(昔ながらのエコー写真がこれに当たります)
胎児の体内(内部の臓器、組織の発達まで)の状況までつぶさに確認するのに用いられる
3Dエコー
立体画像として胎児を表示するエコー。
”体の表面”を見るために用いられるため、普通の写真のように見える。
ただし、胎児の体内の状況は確認できない。
4Dエコー
3Dエコーを動画的に見られるエコー。
赤ちゃんの動きがリアルタイムで表示されるが、3D同様、”体の表面”のみが見える。
妊娠13週にもなると、4Dエコーを使用すれば性別だけでなく、その赤ちゃんの顔までしっかり確認できる可能性が高くなります。
妊娠13週 赤ちゃんの”異変”は4Dエコーで発見可能?
ただ、胎児のエコー検査というものは、胎児の臓器、組織の発達を確認することが一番の目的ですから、4Dエコーが可能、という病院でも、2Dエコーと3D/4Dエコーの併用が普通です。
つまり3D/4Dエコーは、お母さんの立場からみれば、いわば”おまけ・オプション”といった位置づけです。
勿論、3D/4Dエコーの機材は最新技術が詰まったものですから、その機材自体が大変高額なものになります。
そのため、産院によっては機材そのものを置いていない場所もまだまだ沢山ある――というより、そちらのほうが一般的で、3D/4Dエコーが行える産院でも、利用にはプラス料金がかかることもあるようです。
さて、そんな3D/4Dエコーですが、本来はれっきとした医療機器ですから、2Dエコーでははっきりわからない・判断のつかない胎児の表面的に出る異変を知るためにも用いられます。
その”異変”の中に挙げられるのが、12〜13週頃から所見が出て来るダウン症の兆候です。
13週の3D/4Dエコー検査でダウン症の兆候はどう映る?
ダウン症自体に関してはここで深く触れることは避けますが、12〜13週のエコー診断で、その兆候が現れ始める赤ちゃんもいます。
その主な兆候・所見が”首の後ろに生じるコブ・浮腫”(後頭部浮腫:NT)です。(他にも、手足の短さ、鼻の骨の形成の有無といったものが、次の検査段階への判断基準になることがあります)
このコブに関しては、2Dエコーでも表示されることがあります。
が、なにせ2Dエコーは胎児が断面図として表示されるため、本当にその首の後ろの影がコブなのか、それとも単なる他の影かの判断は専門家でも付けにくいのです。
ですから、”体の表面”をつぶさに見ることに長けた3D/4Dエコーでなら、コブなのかそうでないかや、手足の長さ、鼻の状態といったものが分かりやすいのです。(※)
※勿論、2Dエコーは無用のものではありません。ダウン症の症状として発生し易い”心臓の異常”については、胎児の内部を見るための2Dエコーが必須です。
もしエコー検査で異変があっても確定ではないことを忘れないで
もし、エコーでコブだと判断された時には、更に詳しい検査として、羊水検査に進むか否かを主治医と相談することになるのが一般的なようです。
羊水検査では、99%という非常に高い確率で、赤ちゃんがダウン症を持っているか否かの確認が可能だからです。
ただし、羊水検査が受けられる時期は15週から17週と限られていること、羊水検査による流産・早産のリスクなどについても、十分考えなければならなくなります。
そして一番重要なのは、例え赤ちゃんの首の後にコブが見えたり、その他のダウン症の兆候”らしい”ものが見えたとして、エコー診断の段階では確定ではない、という点です。
後頭部浮腫があっても、生まれてみれば全く健康な赤ちゃんだった、浮腫・コブ自体が一過性のもので、次のエコー検査の際にはなくなっていた、というケースも非常に多く存在します。
赤ちゃんの健康だけを願うお母さん・お父さんからすれば、どんな異変にも心を痛め、右往左往してしまうものですが、まず落ち着いて主治医の説明を聞き、冷静に様々な判断をすべきです。
素人判断はNG!主治医を信頼しストレスのない妊娠生活を送ろう
すぐ側――自分のお腹の中にいる我が子の姿を、生まれる前に唯一見ることが出来るのがエコー検査です。
その技術はまさに日進月歩で、現在では動画データとして記録媒体に入れて渡してくれるサービスを行う産院もあり、早く我が子に会いたいと願うお母さん・お父さんにとって、まさにありがたい技術です。
…ただ、見えすぎるが故に、そして様々な情報を簡単に手に入れられる現代であることも重なり、つい素人判断で(我が子を思うがあまり)不安要素を”見つけようとしてしまう”傾向があることも否めません。
しかし、それこそ、赤ちゃんにとって一番悪い影響を与える”ストレス”に繋がってしまいます。
もし万一、何か赤ちゃんに異常やその疑いがあったとしても、決して医師は隠したりはしませんし、それをお母さんに告げない、ということもありません。
ですから医師を信頼し、不安な点があれば相談すること、これを大前提として、お腹の中の赤ちゃんと向き合っていきましょう。