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流産の手術後”絶対安静”のワケ。心と体を整えるために

授かった命を、望んだ妊娠を、流産と言う結果で終わってしまうのはとても辛い経験です。心も体も、すぐに立ち直れるわけではありません。手術後はしっかりとした休息、安静が必要です。

もし養生を怠ると、どのようなデメリットが生じるのでしょうか?

今の時代、女性も働かなくてはならなかったり、どうしても会社に必要とされている場合がとても多くあります。そんなとき、術後間もないのにも関わらず働きに出たり、家のことをやらなければならないとき、理想としてはどうするべきなのでしょうか。もし無理をすると、今後どんなことが起こるのでしょう。

流産の手術後のカラダの状態について知ることは、”自分を大切にすること”に繋がります。どのような経過が望ましいか、考えていきましょう。


流産の手術後の女性の体 ― どうして安静にしなければならないの?

術後の体の状態は、どんなものなのでしょうか。

妊娠していた期間の週数によって、女性の体の変化の度合いも変わります。何週目で流産してしまったのかにも寄りますが、間違いなく、妊娠していたわけです。ですから、流産してしまったのだとしても、手術後は「出産後」の体質と似たものになってきます。

週数が経っていれば術後も母乳が出る場合もあります。「後陣痛」を経験することもあるかもしれません。妊娠期間が短かったとしても、子宮には胎児がいたわけですから、非妊娠状態の体に戻りまた次の妊娠に向けて準備をしなければならないので、体は急速に変化していきます。

妊娠〜出産には相当のエネルギーを使いますが、無事に赤ちゃんの顔を見られればその苦労も吹っ飛んでしまいます。しかし残念な結果になってしまった場合、初めのうちは、気持ちの落とし所を見つけることが難しいでしょう。そうして落ち込んでいるところに体の不調や妊娠の名残が表れると、余計ブルーになってしまいますね。

体の面でも気持ちの面でも、安静が必要な時期なのです。

安静が必要な流産手術後の体の中では何が起こっているか

具体的に手術後の体にはどのような変化が起こっているのでしょうか。

先にも述べたように、胎児が除かれたことで、体は一刻も早く元の状態に戻り次の妊娠に備えるよう準備を始めていきます。ホルモンバランスを非妊娠状態に切り替えていくので、人によってさまざまな症状が出るかもしれません。

それは腹痛・頭痛・腰痛であったり、流産に対する落ち込みとはまた違った気分の低下、食欲不振、吐き気など。ホルモンバランスが整うまで我慢が必要かもしれません。

お腹の中では羊水に包まれた胎児が居たので、それらの内容物がなくなったことにより、子宮が収縮します。収縮のスピードが緩やかな人はあまり気にならないかもしれませんが、急激に収縮するとキツイ生理痛のような腹痛があります。これは収縮スピードを和らげる薬を処方してもらうことで対応できます。

母乳や母乳の元が作られていたなら、全て出し切らないといけません。自然に出ることが多いですが、もし違和感を覚えたら要相談です。残った母乳が石灰化(カルシウム沈着)し「しこり」になったり、乳腺炎になって激しく痛むこともあります。

手術後は安静に!流産だからといって油断しない

このように、術後の経過を自分でもしっかり観察することは大切です。今回の妊娠がきっかけで何かしらの後遺症が残ってしまうと、次回の妊娠がしづらくなったりする恐れもあります。

例えば胎内の残留物(胎盤や胎児のカケラ)が子宮内に残ってしまうと、子宮壁などに癒着し妊娠しづらくなったり、次回も流産しやすくなってしまいます。これは自覚症状を覚えにくいものですが、こういった知識を取り入れておくことは、産科での相談に役立つでしょう。

また流産だからといっても、術後しばらく”つわり”に苦しむ人も居ます。職場の方や家族に、流産の報告をするとき、まだ体調が戻らないことを説明しておくことは賢明です。まだ妊娠中のホルモン状態から戻りきっていないと、つわりが治まらないからです。周囲の人に配慮してもらいましょう。

また手術後は出血があります。いつ治まるかは個人差ですが、遅くとも1週間以内には治まるものです。もしこれ以上出血が続くようなら異常があるかもしれませんので、予約日前でも受診をお勧めします。

体だけでなく”精神面”の安静も重要

経験した人にしかわからない流産の辛さは、いつ癒えるか、自分でもわからないかもしれません。このままずっと引きずるのではないかと不安になることもあるでしょう。

筆者も2人目を流産しているので、お気持ちは良くわかります。自然な流産でしたが、何か生活面で不摂生があったのかと自分を責めたり、楽しみにしていた夫に申し訳ない気持ちになったりしました。

しかしどんな心の傷も、時間だけは良い薬となります。

術後、体が癒えても、心がいつ回復するかはそれぞれです。仕事や生活に打ち込んで「忘れよう」と焦る必要はないと思います。人によって、「その方が気が紛れて楽」であればそうすべきです。しかし無理に復帰しようとせず、流れに心を任せて回復を待つことも大切です。

ポジティヴな面を探し出すことができる体験ではありません。まずは、自分の心を慰めてあげましょう。

筆者は流産がわかったとき、担当医に原因を尋ねました。初期流産で、一番流れる確立が高い時期でしたし、妊婦の生活態度は関係ないことが説明されました。受精した時点で、もしくは卵子か精子の時点で生命力が弱く、初めからここまでしか成長できなかったのだということです。

バットでお腹にフルスイングされたのでもなければ、外部からの刺激が原因ということもないよ、とも言われました。このような言葉を心の中で反芻して、『自分にはどうすることも出来なかったんだ、仕方なかったんだ』と、自分を責めるのを辞めることに集中しました。

2年ほど経って悲しみが落ち着いても、当時の母子手帳は捨てずに取ってあります。悲しみを振り切れたとしても、無理に忘れようとする必要はないのです。

手術後の生活――普段の生活に戻れる目安は?

さて、体が回復し、妊娠前の状態に戻るにはどれくらいの期間を要するでしょうか。心がけたいのは、「次回の妊娠に向けて万全な状態に戻すこと」です。

例えば、先に述べたような”子宮内の残留物”には注意が必要です。もしかしたら長い出血や、生理痛のような重い感じが続く自覚症状があるかもしれません。卵管付近に残留物が癒着すると排卵できず不妊になることもあります。

子宮壁に残れば、次回妊娠するとき子宮内膜がうまく機能しなかったり、胎盤に影響が出たりと更なる流産の恐れを引き起こします。または残留物が”絨毛がん”に発展することも無くはないのです。

もちろん残留物がないか、医師がしっかりと確認しますが、自身で違和感を覚えたらすぐ相談しましょう。

また、入浴についても注意が必要です。手術当日はシャワーも控え、体を拭いて清潔に保つに留めましょう。まだ子宮口が閉じきっていないのに入浴するのは、感染症を引き起こす原因となります。一週間は湯船に浸かるのを避けましょう。

術後1ヶ月頃から次の生理が来ることがほとんどで、生理がくればまた妊娠できる体に戻りましたよというサインです。体が次の妊娠に向けて切り替えてしまうと、心が付いていけないこともあるでしょう。1ヶ月前まで居た赤ちゃんが居なくなったことを再認識させられるような、物悲しい気分に陥るかもしれません。

安静が必要だと感じたときは、無理せず休みましょう。心まで整ったときが、次の新しい命を授かる準備が出来たときです。

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