基礎体温でみる高温期の生理や生理後も続く高温に注意!
平均的な生理は、生理開始から約2週間低温期が続き、排卵がきます。
排卵期のあとに高温期が約2週間続きます。
そして低温期にもどり次の生理がはじまります。
ところが生理後の高温期に生理がきたという声を聞きます。
また、排卵期の後に高温期が続くと妊娠していますが、妊娠の心当たりがないにもかかわらず排卵期後も高温期が続いていると心配される方もいます。
では基礎体温でわかる身体の変化についてみていきましょう。
このページの目次
基礎体温でわかる排卵のタイミング! 生理後に高温期が続けば妊娠の可能性!
生理周期からみると基礎体温は低温期になるはずなのに、高温期が続いている。
それは妊娠していると考えられます。
妊娠すると女性ホルモンのひとつ、黄体ホルモンの分泌量が増えてきます。
黄体ホルモンは子宮内膜を整え受精卵を着床しやすくするとともに、体温を上げる働きもあります。
ですから高温期が続いている場合は妊娠しているとみられます。
生理周期というのは卵巣で卵胞が育つ「卵胞期」、卵胞から卵子は排出される「排卵期」、子宮内膜が整う「黄体期」、生理の「月経期」の4期に分けられます。
月経期つまり生理は黄体期に受精卵が着床せず、子宮内膜が剥がれることではじまります。
そして卵胞期に入るサイクルを繰り返します。
普段から基礎体温を測っていると、卵胞期の低温、黄体期に高温になるなど生理周期に合わせた体温の変化がわかります。
そして低温期から高温期に移るときの排卵期が予測しやすくなります。
生理後の基礎体温は高温期! なのに生理がきた理由はこれ!
生理は高温期に受精卵が着床せず、子宮内膜が剥がれ落ちることです。
体温も低温期へ移ります。
ですから高温期が続いているところに生理はきません。
なのに生理がきた場合、考えられるのは妊娠です。
妊娠すると生理は止まり、体温は高温期にあります。
生理だと思われるものは着床出血だと考えられます。
着床出血は受精卵が子宮内に着床するとき、絨毛が子宮の壁を傷つけることがあり、そのとき少し出血します。
この不正出血を生理と間違えてしまうようです。
着床出血は誰にでもあるのではありません。
だいたい50人に1人ぐらいといわれています。
着床出血の量や色は個人差がありますが、生理とよく似ている場合があります。
基礎体温が高温期であれば妊娠とみた方がいいでしょう。
また、黄体ホルモンが過剰分泌する黄体依存症の場合も、おりものがでることがあります。
ほかには、受精卵が着床しても成長しない化学流産の可能性もあります。
流産後に生理がありますが体温は高いままなので、高温期に生理がくる状態になります。
生理後の基礎体温は高温期! なのに体温が下がることがある!?
基礎体温が高温期に入ってから7日〜10日目に1日体温が下がってしまうことがあります。
これは「インプラーテンションディップ」といって、受精卵が子宮に着床するとホルモンのバランスが変化して起こることだといわれています。
アメリカでは妊娠の兆候とみられる現象のひとつとしています。
高温期に体温が下がると妊娠していないのではと不安になりますが、翌日から再び体温は上昇してきます。
インプラーテンションディップがみられるのは妊娠している女性だけではありません。
妊娠している人でみられるのは約20%です。
妊娠していない人でも約10%で現象が現れるようなので、妊娠しているときに限られたことではありません。
また、ストレスなどによる体調不良でも同じように体温が下がることがあります。
暴飲暴食や夜ふかしなど生活の乱れからも一時的に体温が下がることもあるようです。
基礎体温は正しく測ることが大切
基礎体温を測ることで排卵のおおよそのタイミングを知ることができます。
妊娠を望んでおられる女性には大切な記録です。
基礎体温は毎日測定した体温のデータから小さな変化を読み取るので、正しく測ることが大切になります。
基礎体温は身体が休んでいる状態の体温を必要とします。
起き上がったり、少し動いただけで体温は変わってしまうので、朝目覚めて起き上がる前、つまり布団の中でできるだけ身体を動かさずにして測ります。
寝るとき体温計を枕元に置いておけばいいでしょう。
また、毎日同じ時間に測ることが大切です。
もし二度寝してしまっても、一度目に目覚めたとき起き上がっていなければ測っても大丈夫です。
体温計は一般的なものではなく、小数点以下2桁まで測れる婦人用を用います。
これは低温期と高温期の温度差が0.5度前後なので専用の体温計でないと正確に記録できないからです。
体温計を測るところは舌の裏です。
舌の上だと僅かな誤差が出てしまいます。
舌の裏にある筋の根元につけて測るといいでしょう。
基礎体温をつけるには気楽に考えることも大切
基礎体温をつけることで身体のリズムが分かります。
リズムの変化から妊娠など身体のいろんなことを知ることができます。
身体に異変を感じたときなど、基礎体温のデータがれば婦人科の相談に活用でき、症状改善につながります。
基礎体温は個人によって違うので、自分の低温期、排卵期、高温期の各体温を測り、特徴を掴みます。
身体のリズムが分かってくるのに3周期ぐらいのデータが必要です。
毎日体温を測るのは難しいかもしれません。
測り忘れたりしてしまうと記録する意味がないと諦めてしまいがちになります。
毎日測ることにストレスを感じてしまう人もいます。
毎朝必ず測らなければいけないと考えないでください。
測ることができなかったり 、何日か測り忘れてしまっても大丈夫です。
測りはじめることが大切です。
そのうち慣れてきて、問題なく毎日できるようになります。
諦めずに継続することが重要です。