妊娠に必須条件は夫婦の「相性」?医学的な夫婦の「相性」
妊娠に夫婦の「相性」が大切という事はご存知ですか?
「相性」がいいから夫婦になったという人もいるでしょう。でもその「相性」と妊娠に必要な「相性」は違うのです。
医学的な「相性」についてご説明いたします。是非妊活の参考にしてください。
妊娠に必要な医学的な「相性」とは?
結婚して、定期的に夫婦生活しているのに、なぜか妊娠しない。女性として年齢的なリミットがありますから焦るかもしれません。
妊娠できない原因がわかるのが怖いけど、妊娠はしたいと悩むことも多いと思います。そんなときは思い切って不妊治療の病院に行ってみましょう。
どんな問題も原因がわからなければ対処できません。
でもいざ夫婦二人とも検査をしたけれど、どっちも体に問題がないという結果もあるのです。
ではなぜ妊娠できないかという疑問が残ります。これが言わゆる夫婦間の相性になるのです。
相性といっても、お互いの仲の良さの事ではありません。もちろん夫婦仲がいいことは、それだけ夫婦生活が頻繁になれば、確率があがりますからまったく無関係とはいえません。
でもここで言う医学的な「相性」というのは、免疫的な相性のことです。この相性が悪いと、夫婦両方とも、妊娠に問題のない体で、どんなに仲が良くても妊娠できないという事になるのです。
免疫的な相性とは?
夫婦生活をすると、膣内に精子が入ります。これが上手く受精すると、受精卵となり子宮に着床すると妊娠となります。
受精に必要な精子と言っても、女性の体から見れば異物です。異物が体内に入れば、免疫機能が働きます。免疫機能が働けば、異物は攻撃されます。つまり、精子は卵子にたどり着けず、受精ができないわけです。そして一度攻撃すれば、抗体ができてしまうので、同じ人の精子は永遠に卵子にはたどり着けなくなります。
しかし多くの場合、女性の体は自分が受精しやすいように、膣内の環境を変えて精子を受け入れやすくします。そのため免疫機能なども働きにくくなっているのですが、稀にこの免疫機能が働いてしまう事があります。これが、医学的に「相性」が悪いということです。そして女性の意思ではもちろん免疫機能を止めることも、働かせることもできません。本人の意思に関係なく行われることなのです。
だから誰の所為でもなく、純粋に運が悪いとしか言いようがありません。
どうすれば、妊娠するための医学的な相性を確認できる?
病院で検査を受けます。
専門的な病院でないと難しいと思いますので、不妊専門の病院に行くか、産婦人科で相談して、病院を紹介してもらいましょう。
医学的な相性を確認するテストを「フーナーテスト」と言います。
別名「性交後テスト」と言われるように、性交のあとの子宮の状態を確認して、医学的な相性を確認します。
このテストは排卵の時期や、性交の後6〜12時間以内に検査を受ける必要があるので、受診のタイミングがとても重要になります。
その上、精子の状態も毎回同じとは限りません。男性もストレスや体調などで精子の状態に影響が出ます。精子の状態に合わせて何回が行われることもあるそうです。
この検査、残念ながら保険適用外ですが、決して高い検査ではなく1回500円以内で可能です。また女性としては体の負担が気になるところですが、注射器で膣と子宮をつなぐ管の液を吸い出すのですが、あまり痛みはないそうです。
ただ医師からこのタイミングで夫婦生活をして、タイミングを合わせて来院しなくてはいけないので、仕事をしている女性は、出来るだけ余裕がある時期にした方がいいでしょう。
医学的に相性の悪い夫婦は妊娠できない?
夫婦ともに体に問題のないのに何故か妊娠できないという不妊症のうち、相性の問題が原因のものは、全体の13%と言われています。
逆に言えば、相性の問題ですから、お互い別の相手であれば、妊娠すること、させることは出来るわけです。しかし夫婦の問題はそれでは解決しません。
これも確率の問題ですが、体外受精という方法をとることで妊娠に結びついたという例はあるそうです。
体外受精とは、男性は精子を容器に出して、女性は医師の手で採卵してもらい、それを病院の培養室などで、受精させます。これも必ず受精するとは限らないのですが、精子、卵子ともに問題がなければ、可能性は高くなります。受精後、数日置いて、その受精卵を子宮に戻します。これが上手く着床すれば妊娠となります。
ただ妊娠しても、流産する確率はあります。特に、今までも妊娠はするけど、流産してしまうというのは「不育症」という症状があります。この原因のひとつに医学的な相性があると言われているので、妊娠=出産とはいかない事もあります。これも治療することで改善されるケースがあるそうです。
不妊治療の問題
残念ながら不妊治療は保険の適用外となります。その上高額です。体外受精となると、1回40万前後かかる事もあります。市町村によっては不妊治療費を補助してくれる所もありますが、全額カバーは難しいでしょう。
来院日は基本、月経のサイクルに合わせて行われますので、ピンポイントでこの日と指定される事となり、自分の都合よりも優先せざるを得ません。
待ち時間も長く、人気のある病院は、そもそも受診予約を取るまでが大変なところもあります。治療はさほど痛みの伴うものは少ないのですが、それでも、特に女性にとって時間的、経済的、体力的、精神的な負担がかかります。
そして、それだけいろんなものを犠牲にしても成功する確率はとても高いとは言えません。
もちろん、うまくいったケースもたくさんありますが、そうでないケースもあるのです。
前述したように、妊娠しても流産する可能性もあります。
だから不妊治療を始める時は、夫婦でよく話し合って、お互い納得してから始めましょう。