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育休後に退職することが社会問題に繋がる? その理由とは

      2016/05/19

育休後に退職することが社会問題に繋がる? その理由とは

育休を取ったのはいいけれど、復職せずに退職したい・退職せざるを得ない…と、育休後の退職を考える理由はさまざまですが、

安易な退職は、自分自身のみならず、女性が働くことへの大きな障害になる可能性もあります。

昨今、世間を騒がせている社会問題を含め、何が問題なのかを見てみましょう。

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育休後、さまざまな理由から退職を考える女性が多い?

働く女性が増えることは喜ばしいことだとされています。

働きたい、社会に出たいと願うこと、労働の対価として賃金を得たいと思うことは、大人として普通のことだからです。

一方で、女性が働き続けることが難しい面があることは、否定出来ません。

その最大の理由が、女性には妊娠・出産があるからです。

ワーキングマザーとして働く女性は多く、そうした女性の助けになるような法律が制定されるなど、地盤は出来つつあります。

しかし、出産前は育休後に復帰を考えていても、実際子供が生まれ、子育てをする中で生じる様々な変化から、そのまま退職を選ぶ女性も少なくありません。

育休後に退職を考える理由は、人それぞれです。

昨今のニュースを騒がせているように、預ける場所がないという、いわゆる待機児童問題。

妊娠・出産・育休後に会社から不当な扱いを受ける、マタニティーハラスメント。

こうした社会的な問題だけではありません。

子供の体調不良に因る、遅刻・早退・欠勤が重なることで、周囲に迷惑をかけてしまっているという自責、そして幼い子供を預けることへの後ろめたさ、やはり一緒にいたい、と思う母性など、女性本人の心境の変化も、退職を考える理由の一つです。

復帰したいけれど出来ない! 保育園不足問題

まず、女性の育休後の復帰を阻む大きな壁の一つが、都市圏における保育園不足の問題です。

すんなり認可保育園に入所できた、という話は稀であり、多くの人が申請を行っても選考で落ちてしまう現状があります。

特に1歳未満の子供を預けたい、となると、認可保育園でもそもそもの受入人数は少なく、更に選考は厳しくなっています。

認可保育園の入園には、多くの自治体で”点数制”を取っています。

この点数制、家庭の状況、両親の有無、親の仕事の形態(会社員か、自営業かなど)といった項目に対し、点数を設けています。

例えば、

  • 父親が会社員としてフルタイムの勤務 20点
  • 母親が会社員としてフルタイムの勤務 20点
  • 同居している家族内に要介護者がおり、月20日以上の付き添いが必要 50点
  • (※ここでの項目・点数は一つの例に過ぎません)

と、この点数が高ければ高いほど「保育園を必要としている」と判断され、入園できるというものです。

認可保育園が駄目ならば、実家の親や兄弟、そして無認可保育園などを選ぶ必要がありますが、これらを頼れる人ばかりではありません。

そのため何とか保育園に入ろうと、”保活”(保育園に入れるための下準備)を妊娠前から行う必要がある、と言われる地域もあるほどです。

この問題は、個人ではどうすることも出来ず、ただ行政の対応を待つしかないのが、悲しいかな、日本の現状です。

マタハラで退職を考える女性は非常に多い

続いてあげられるのが、マタニティーハラスメント、通称”マタハラ”です。

妊婦に対するマタハラもありますが、出産後、復職した女性に対する”冷たい仕打ち”も、このマタハラに含まれます。

産休前まで就いていた業務から外された、仕事を任せてもらえない、子供の急病に対応しようと申請を出したら、遠回し、もしくは直接的に「無理して仕事しなくてもいいんじゃないか」と退職を勧められた…という体験談を、多くの人が耳にしたことがあるでしょう。

勿論、マタハラは、なくさなければならないものです。

しかし、実際に職場で一緒に働いている人の感情は、法律でも縛ることは出来ません。

人手が足りない、しかし新たな社員を雇う余裕が無い、そういった会社にとって、育休を取った社員の分の負担は、周囲の同僚に割り振られることになります。

育休から復帰しても、時短勤務や欠勤・遅刻が繰り返されると、その分の仕事は、また周囲への負担になります。

このような、持って行きようのない憤りが、受ける側にはマタハラとして認知される…というケースは、ゼロではないのです。

残念ながら、労働者の権利として認められている育休や復帰後の時短勤務を、気兼ねなく利用できる社会には、日本はまだなっていません。

このマタハラに関する問題も、何かしら革新的な解決策が見出されない限り、今後も問題視され続けることになるでしょう。

自分の心境の変化で退職を考えるのも、不思議ではない

このような外部的な要因により、育休後の退職を考える人と同じく、自身の心境の変化により、育休後に退職を考える女性もまた、少なくありません。

実際、多くの女性は、出産後、それまでとは全く違う世界観を持つようになります。

それが”母性”だと言われるものです。

仕事よりも子供の側にいてあげたい、と考え方が変わることも、不思議なことではないのです。

ただこの場合、会社にとっては大きな問題と成り得ることを忘れてはいけません。

育休中の社員の”席”は、会社は責任をもって守らなければなりません。

その為、周囲の社員に育休中の社員の仕事を割り振ったり、派遣社員を雇ったりなどの方法で乗り切る会社がほとんどです。

また、給与は出ないものの健康保険や厚生年金保険は会社名義のままですし、育児休業給付金は、雇用保険から支払われているものです。

法律で決まっていることとは言え、会社や同僚は一人の社員の権利を守るため、負担を強いられているのです。

いわゆる”賢い節約術”として、ギリギリまで育休を取り、その後復職せずに退職することを勧めることもあります。

これを悪いこととは言いませんが、会社としては死活問題になることは、理解できるでしょう。

今まで仕事を分担して、育休中の社員の帰りを待っていた同僚としても、気分のいいものかどうか…自分の身に置き換えれば、考えなくても分かることと思います。

育休後に復帰せず退職することは、どんな影響を及ぼすのか

しかし、こうした権利を使うだけ使い、結局復帰せずに退職をする――こうした女性が増えてしまうと、その会社のみならず、社会全体にも”育休は認めざるをえないが、周囲には迷惑なもの”という感情が広まってしまいます。

そして、後進の女性たちが育休を取りづらい社会となり、女性自らが、自分たちの働く場所を奪っている状況を作り出してしまうのです。

事実、既にそうした風潮は、女性の活躍の場が増えるのと同時に広まっている兆しがあります。

そしてもう一つ、考えなければならないことがあります。

それは、”育児中、一度退職してしまうと、再就職は難しくなる”ということです。

企業にとって社員とは、賃金を払う代わりに業績をあげてもらうための大切な戦力です。

その戦力に”子供の健康により出勤が左右されてしまい、決まった時間働けるかどうかわからない人”を好んで選ぶことはまずありません。

また”育休を取ったけれども、それが明けて間もなく退職をした経歴”は、再就職を更に難しくします。

権利だけを行使して、会社への貢献が低い人というレッテルを貼られてしまってもおかしくはありません。

育休中は子供の母親であると同時に、未だ自分が一つ会社の社員であり、そのために権利を使うことが出来ている、という認識は持っていなくてはいけません。

外部的な理由で退職を考えるなら、まず出来ることをしよう

もし、外部的な要因で退職を考えている場合は、どのように話を進めるといいのでしょうか?

まず、保育園が決まらない場合ですが、預ける場所ができ次第元の職場で働きたい、と考えているならば、まずは待機児童の登録を行いつつ、育休の延長をしましょう。

また、保育料は認可保育園に比べ高くなりますが、無認可保育園が利用できる位置にあるならば、そうした施設を利用することも一つの手です。

待機児童としての登録を行っている、また既に仕事に復帰していると、その分、認可保育園の入所の選考において、加算される点数が高くなります。

同時に、会社としても、育休後も働く意思を身をもって示している社員に対しての評価は高くなります。

もし、マタハラなどの嫌がらせを受けていると感じ、退職を考えているならば、まずは上司と面談などで対処を話しあいましょう。

上司自身、また会社全体がそうした社風で、相談出来る人がいないような時は、厚生労働省のマタハラに関する専門窓口や弁護士などに相談することで、会社全体の風潮を変えるきっかけになることもあります。

ただ、会社と全面的に戦うことは、負担がとても高いものです。

そんな時は、退職する前に転職先を探すのも一つの手です。

育休は何のためにある制度か、退職前にもう一度考えよう

自分の心境の変化や、子供を育てている中で、退職を考えるようになったならば、何よりもまず、退職を考えていることを上司、引いては会社に伝えるべきです。

特に、辞めることを自分や家族の中で決定したのなら、その時点で退職の意志を伝えるべきです。

この時、何かそれらしい理由を伝えて、円満な退職をしたいと考えがちですが、実際のところ、例えば夫が転勤することになっただとか、子供に病気が見つかったなどの証拠を示せるような理由でない限り、これは無理なことです。

会社側、同僚側からすれば、育休中の社員の席を守るために負担を強いられてきたのですから、どんな理由を並べても「だったら最初から育休を取らずに退職しておいてくれたらよかったのに!」と思うのも仕方がないことです。

それならば、心境が変わったことを正直に伝え、誠心誠意の謝罪と共に、退職する旨を伝えたほうが、ずっとスムーズです。

”育休期間を使い切り、その上で退職をする”、これにより得られる恩恵は大きいかもしれませんが、先に述べた通り、褒められた行為では絶対にありません。

勘違いして頂きたくないのですが、心境や状況が変わったこと自体は、責められる要因ではありません。

自分の権利だけを行使し尽くし、会社に対する義務を果たさないことが、職場で働く女性の立場を危うくし、引いては世間の”表面上は女性進出を推奨するが、実際は女性が働くには厳しい環境”を作り出している原因だと言えます。

あくまで育児休暇や時短勤務は、仕事に復帰をすることを前提とした制度であることを、忘れないでください。

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