妊娠したい人は逆立ちすべき?妊娠にかかわる迷信いろいろ
妊娠したい時に、仲良くした後逆立ちすると効果がある。
このような妊娠にまつわる迷信や民間療法はたくさんあります。
行為の後に逆立ちに効果がある?ない?根拠はあるの?ないの?色々な意見があります。
逆立ちを含めた妊娠にかかわる迷信について解説します。
このページの目次
妊娠したい場合は、行為後に逆立ちすべき?
ネットで経験談を語る人の多くは、「私は妊娠成功したよ!」というものです。そういう経験談ばかり見ていると、「あ、効果があるんだ」と信じる人はたくさんいますが、実際のところ行為後の逆立ち(腰を上げる、足を上げるなども含む)について、効果があるという意見を言う産婦人科医はほとんどいません。
逆立ちしても害にならないので、逆立ちする事には問題はありません。というスタンスなのですね。
実際、そういった研究をしている人もいないようですし、科学的根拠はないのでしょう。
でも何年も妊娠しなかった人が、この方法を取って妊娠したのであれば、やっぱり効果はあるはず、だってたくさんの経験談があると考える人もいるでしょう。
しかし、大概経験談を語る人の多くは、成功したときが多いのですね。つまり失敗した人は殊更それを体験談にしません。また、逆立ちを大人は普通あまりやることはありません。それを自らやるという事はそれだけ記憶に残りやすい行為なのです。
妊娠は偶然かもしれませんが、特別な行為をした事が印象に残り、そこに因果関係を産んでしまうのです。
逆立ちしても妊娠はしない?
逆立ちと妊娠の間に因果関係がないだけです。
逆立ちしてもしなくても妊娠する人やするし、妊娠しない人はしないのです。また女性には妊娠しやすい時期、いわゆる危険日があります。この時期に仲良くすれば、妊娠できる人は妊娠できます。
妊娠できる人とできない人の差というのは具体的には色々あります。
まずはお互いのパートナーの生殖機能に問題のない事。そして女性の年齢が20代〜30代前半である。そして排卵日の前5日以内に仲良くしているという条件を満たしていれば、妊娠するのは難しくないのです。
しかし、これだけの条件が揃っていないと、妊娠は難しくなります。
ただし女性の年齢は目安です。若ければ若いほど妊娠はしやすいです。年齢を重ねれば重ねるほど、妊娠はしにくくなりますが、まったく妊娠する可能性が無いわけではありません。42歳ぐらいまでは妊娠している女性は結構いらっしゃいます。それ以降になると、結構厳しくなります。
逆に言えば、先ほどの条件が揃っているにも関わらず1年経っても妊娠しない人は、生殖機能に問題がある可能性があります。これは逆立ちしてもどうにもならないので、専門の病院へ受診した方がよいと思います。
お互い何の問題もないのに妊娠しない夫婦の場合
例えば、今のパートナーの前には妊娠した、妊娠させた経験があるのに、現在のパートナーの間に子供が出来ないと悩んでいる人もいると思います。
別の相手とならば妊娠した、妊娠させた事があるので、生殖機能に問題はないと考えられます。また女性の年齢が40歳を超えると健康な女性でも、妊娠する確率は5%にまで下がりますので、妊娠しない可能性は年齢の可能性もあります。
年齢の問題でない場合は相性の問題の可能性があります。
相性というのは、いわゆる夫婦生活の相性のことではなく、遺伝的な相性の事です。これは簡単に言えば、女性の免疫機能では本来は攻撃しないはずの精子を攻撃してしまい、精子は卵子にたどり着けないために受精できないという事です。
前述した通り、年齢でも生殖機能にも問題がない場合は、この可能性がありますので、この場合も不妊治療の専門病院で検査をしてもらいましょう。
保険は適用されないのですが、おおよそ数千円でできる検査です。
妊娠にまつわる迷信いろいろ
毎日行為をしていれば、妊娠しやすくなるというのは迷信でしょうか?
確率の問題で言えば、毎日している方が確かに妊娠しやすくなります。しかし、必ず毎日しなくては妊娠できないわけではありません。妊娠しやすいのは排卵日を含めた前5日程度です。この時は毎日していた方が妊娠する可能性がかなり上がります。それ以外の日はいくら頑張っても妊娠はできないわけです。
しかし、この期間だけ仲良くしている夫婦よりも、毎日もしくは1日置きに夫婦生活をしている夫婦の方が妊娠しやすいという統計結果があるそうです。精子にも寿命があるので、ずっと溜めているよりも、ある程度のサイクルで新しいものにした方が、元気がいいという説もあります。
でも毎日しているのが苦痛だったり、義務的にしているのであれば、やはり辞めた方がいいでしょう。
毎日しなくても妊娠は出来ます。大変であれば、排卵検査薬などを使って、排卵日の前後に続けて行為をした方が、はるかに高い確率で妊娠する可能性があります。
行為の後にしばらく安静にしてた方が妊娠しやすい?
これも科学的な根拠はありません。
でも行為の後、すぐにシャワーを浴びたりすると精子が流れて行ってしまいそうで、安静にした方が卵子まで精子が到達しやすいと考える気持ちはよくわかります。なんとなく根拠がありそうな気がしますが、残念ながらそうではないのです。
精子は射精後、5分もあれば卵管まで行ってしまうそうです。つまりシャワーを浴びる頃にはもう精子はとっくに子宮に向かっているので、流れるてしまう精子たちはつまり到達できない精子たちなので何の問題もないのです。
つまり、夫婦生活の後、女性が安静にしようと、足やおしりを上げようと逆立ちしようと妊娠するわけではないのです。
妊娠しやすい行為として話題に上がる「体位」もそうですが、これもどんな体位で夫婦生活をしても妊娠しやすいかどうかというのは関係がないのです。
でも妊娠を望んでいる夫婦としては、あらゆる手段を用いても妊娠したいと考えるのは当然です。しかし、実際に妊娠は女性の年齢との競争になりますので、迷信を試すよりも、排卵日をきちんと確認する事や、不妊治療の病院に行くことの方が、はるかに高い確率で妊娠の可能性があります。