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発達の遅れが気になる。検査を受けるのは4歳では早いか解説

発達の遅れが気になる場合、教育機関や自治体、医療機関などと相談して発達検査を受けることができます。

4歳児は言葉の理解が広がり、幼稚園や保育園でもお友達や先生などとの関わりが増えてくる時期です。今までは何となく感じていた周囲のお子さんとの違いなども客観的に見えてくることがあるでしょう。

発達検査は障害の診断を下すためのものではなく、子どもの成長度合いを測る指針としてはじめは捉えたほうが良いです。4歳児で受けられる発達検査について解説します。

発達の遅れを調べる検査で、4歳児が受けられるもの

発達検査というと発達障害の診断を下すためと思われがちですが、そうではありません。
お子さんが「どんなことができ」、また「どんなことができないか」を現在の年齢の標準と照らし合わせて多角的に診断するための検査です。

母子手帳の○ヶ月検診、1歳児検診、2歳児検診などと記載のあるページに、できるようになったことを○×で回答する欄がありますが、あれもアメリカで開発された発達検査である「デンバー式発達スクリーニング検査」の一部を抜粋したものです。
発達検査では、言語能力などの知的能力の他にも、身体運動能力や、社会性などの項目も検査され、個々の項目における現在の発達年齢や発達指数が算出されます。

4歳児のお子さんが受けられる発達検査には、以下のようなものがあります。

  • 新版K式発達検査
  • 乳幼児精神発達診断法(津守式)

以下に検査の内容を詳しくみていきましょう。

発達検査にはどのようなものがあるのか(4歳児対象)

<新版K式発達検査>(以下K式)
K式検査は検査スタッフと検査を受けるお子さんが並んで座って行われます。質問項目は多岐にわたりますが、いずれもその年齢のお子さんが楽しんで取り組めるような作りになっています。

具体的には、「姿勢・運動領域」、「認知・適応領域」、「言語・社会領域」の3つについて評価が行われます。

検査は専門的な知識のある心理士によって行われ、検査はチェック項目だけに限らず、検査中の子どもの態度や姿勢、道具の扱いなども判断対象となります。

検査は15分程度で終わることもありますが、長くても1時間以内には終わります。
検査後には、検査結果と今後の指針を示した「検査報告書」を作成してもらうことができます(有料の場合あり、要問合せ)。

乳幼児精神発達診断法(津守式)

津守式では、お子さんにではなく保護者や監視者への問診で診断が行われます。
質問項目は多いですが乳幼児から行うことができ、比較的短時間で診断が下されるのが特徴です。

質問用紙は、運動、探索、社会、生活習慣、言語の5つの領域から構成されています。
検査後にはそれぞれについての発達の度合いが評価され、「発達年齢」が算出されます。

発達検査を受けるにはどうすればいいか。4歳児の場合

発達検査を受けるきっかけは様々です。乳児検診・幼児検診のときに検査をすすめられることもあれば、幼稚園や保育園で遅れを指摘されることもあり、保護者の方が子育て支援センターに相談して検査を受けることもあります。

あるいは逆に、検査をすすめられないケースもあります。4歳の段階では、できることとできないことの間に個人差もあり、その後大きく改善したり成長が追いついたりすることがあるからです。

まずは自治体の相談窓口に問い合わせてみるのが最善です。
各県や自治体には子ども発達センターが設置されています。そちらの相談員さんや臨床心理士さんから発達検査を行っている病院や医師を紹介してもらうのが近道です。

発達センターや療育センターで発達検査を行っているかどうか聞いてみるのもいいでしょう。

直接発達検査を行っている病院へ問い合わせてもいいですが、検査までに時間がかかる場合もあります。お子さんが安心して検査を受けられるように、またその後も長い目で支援してもらえるように、あせらず慎重に検査場所を選びましょう。

発達検査と知能検査の違いについて

発達検査と知能検査はどのように違うのでしょうか。
これまで見てきたように、発達検査は知能や精神の発達だけでなく、運動面や社会面なども考慮に入れた上で同年代の標準と比較を行います。
発達検査では「発達年齢」「発達指数」が算出され、知能検査では「知能指数(IQ)」が算出されます。

4歳児で行うことのできる知能検査では「田中ビネー知能検査V」があります。
知能検査としてよく知られている「WISC-IV」は対象年齢が5歳以上となっています。

知的障害は主にIQによって診断されます。

発達検査にしても知能検査にしても、注意すべき点が一つあります。
それは、このような検査はあまり頻繁に行うべきではなく、一度検査を行うと次の検査までに1年以上の間隔をあけた方がいいという点です。

年中時・年長時の診断は就学の際の判断材料にもなりますから、検査の時期については専門家とよく相談の上行った方がよいでしょう。

発達検査は子育て対策として。お子さんの成長につなげましょう

お子さんに発達の心配がある場合、専門的な検査によって指針をもらうのは悪いことではありません。

近年グレーゾーンの子が増えているとも言われます。軽度の発達障害や知的障害を伴っているお子さんの教育をどのようにすればよいのかは保護者だけに限らず、教育機関や自治体を含め社会全体の課題と言っても差し支えありません。
一人で抱え込まず、支援を受けられる場所を探しましょう。

診断を下されることでマイナスに働く面もありますが、困難さを抱えたお子さんにとって多くの人から支援をもらうことは今後必要なことです。お子さんの成長への道のりを共に描ける先生や協力者を探し、早めに支援の体制を整えていきましょう。

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