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フライングの妊娠検査 陰性でも妊娠している可能性あり!

女性にとって妊娠は一大事ですから、早く結果が知りたい!と思うのは当然です。

ただ、妊娠検査薬を使った”フライング検査”で、陰性だったのに実際は妊娠していた!という話も、多く目にすることがあります。

何故、こんなことが起きるのでしょうか?

妊娠していたのに、検査薬では陰性だった… 何故?

「もしかしたら妊娠したかも…」

そんな不安と期待を抱いた時、多くの女性が妊娠検査薬を用いることでしょう。

妊娠検査薬は安価で入手もしやすいこと、更にどの時間帯の尿でも検査が可能なことから、現在では、まずは妊娠検査薬を使って判定を行うのが主流となっています。
 

市販ではありますが、妊娠検査薬の信頼度はとても高く、陽性反応が出た場合には、ほぼ間違いなく妊娠している(※)と言えるため、産婦人科で初めて妊娠検査を行う際にも、検査薬を使用したかどうかを確認されるほどです。
 

しかし、この妊娠検査薬で”陰性”であったにも関わらず、実際は妊娠していた――そんな体験談を、インターネットなどで目にすることも多いでしょう。

こんな話を聞くと「やっぱり市販の妊娠検査薬は信頼できないのでは?」と思うでしょうが、実はそんなことはありません。

こうした妊娠していたのに陰性だった、という時に考えられる一番多い原因は、”フライング検査”です。
 

妊娠検査薬のフライング検査とは、どんなものか。

どうして陰性なのに妊娠しているのか。

その理由などを見ていきましょう。
 

※不妊治療などでhCG注射を受けている場合、また婦人科系の病気によっては”偽陽性”(実際は妊娠していなくても検査薬が反応する)ことがあります。
 

そもそも妊娠検査薬は、何で陽性・陰性を判定しているの?

そもそも、一般的に市販されている妊娠検査薬には、必ず”生理予定日の1週間後から使用して下さい”といった使用時期についての注意書きがされています。

性交後すぐや、生理予定日前に使用しても、正しい検査結果を得ることは出来ません。
 

この使用時期よりも先に妊娠検査薬を使うことを、いわゆるフライング検査と呼ぶのですが、フライング検査を行うことはどの検査薬でも推奨されていません。

加えて、フライング検査を行っても、その結果通りにならないことも少なくありません。

「陽性反応が出ていたのに、生理が来た」ということも、逆に「陰性反応が出ていたのに、実際は妊娠していた」ということも起こり得るのです。
 

それは何故かというと、これは妊娠のメカニズムが大きく関係しています。
 

人間の体は、多種多様なホルモンによって成り立っています。

女性特有の生理(月経)も、そして妊娠もこの例外ではなく、どちらも体の中で分泌されるホルモンによって制御されているのです。

ただ、妊娠に関わるホルモンの中に、”着床”という段階に至らなければ、体内に発生しないホルモンが存在します。

それがヒト絨毛性性腺刺激ホルモン、通称”hCGホルモン”と呼ばれるもので、妊娠検査薬は、このhCGホルモンの濃度が一定値以上か否かを検査するものなのです。
 

妊娠検査薬が陰性なのは、単に検査日が早すぎる可能性も

hCGホルモンは、女性側からではなく、着床した受精卵側から、もっと詳しく述べると、子宮内膜の中に潜り込むために、受精卵が表面に生じさせる”絨毛”という組織から分泌されるものです。

つまり、受精卵が着床までの間に、正常な細胞分裂を続け、かつ着床した時にのみ、女性の体内にhCGホルモンが現れるのです。
 

ここで重要なのは、着床が開始するまでには排卵・受精から数えて、最低でも7日は掛る、という点です。

受精卵はもともと一つの細胞です。これが細胞分裂を行い、順調に成長して初めて、着床が可能な状態になるのです。

ですから、これまでの間に、何度妊娠検査薬を使おうとも、検査薬が陽性になることは、何らかの病気か、hCGホルモン剤の投与などがない限りあり得ないことです。
 

また、着床した時点で、すぐにhCGホルモンが大量に分泌され始めるわけではなく、徐々にその量が増えていくため、検査薬で検出が可能になるには更に日数が掛かります。

一般の妊娠検査薬のhCGホルモンの最低検出限度(しきい値)は、50mIU/mL以上とされていて、この値が確実に検出されるようになるのが生理予定日の1週間後、妊娠検査薬で推奨されている使用時期になるのです。
 

勿論、女性の体が各々で異なるように、hCGホルモンの分泌量は、人によって異なりますから、検査薬の使用時期前のフライング検査において陽性になる人もいれば、逆に、フライング検査で陰性でも、規定された日に検査して陽性になることも、また少なくないのです。
 

実は妊娠は、とても低い確率で起こることだった!

多くの人が勘違いしているのですが、医学的に言う”妊娠の成立”とは、受精した瞬間を指す状態ではありません。

心理的な面での意見は様々ですが、医学的な面から見た妊娠には、三つの段階があります。
 

一つ目が、妊娠検査薬が陽性になった、つまり着床したことが検査薬によって化学的に確認されるが、胎のうが未だ子宮内膜に確認できない”化学的妊娠”。

二つ目が、着床後に順調に受精卵が成長し、エコー検査により子宮内膜に胎のう、胎芽(赤ちゃんとなる細胞)が確認できた段階の”臨床的妊娠”です。

そして三つ目、胎のう内の胎芽から心音が確認されて、初めて妊娠だと確定されるのです。

ちなみに、心音が確認できるようになるには、妊娠6週間頃以降(生理予定日の2週間後以降)です。
 

何故、この三段階の確認を経て初めて妊娠と診断されるのかというと、妊娠の確定に至る確率が思う以上に低いことが理由です。
 

どんなに健康な男女であっても、受精後の受精卵が無事に成長し、着床に至る確率は、実は2割から3割程度でしかありません。

また、着床しても、その後の発育が上手くいかず、流産となってしまうケースも2割近く存在するからです。

これは、多くの場合が受精卵側の問題であり”自然淘汰”と呼ばれるものです。
 

フライング検査がお勧めされない理由が、この”自然淘汰に気付いてしまう”点にあるのです。
 

検査薬で陽性になっても、100%妊娠には結びつかないのは何故?

妊娠の超初期に起こる流産を”化学流産”と呼び、多くの場合、母体(女性)側の原因というよりも、受精卵側に何らかの問題があった場合であるとされています。

特に多いのが染色体異常であり、化学流産や初期流産のほとんどが、受精卵自体がそれ以上育つことが出来ないために起こることだと言われています。
 

受精からその後の成長まで、一度のコピーミスなく細胞が分裂していき、都合よく整った子宮内膜に着床できる――当たり前のように感じるかもしれませんが、これは逆にとても低い確率でしか成し得ないことなのです。

それが、ごく初期の流産が自然淘汰と言われる所以です。
 

特に化学流産に関しては、妊娠5週目以前(生理予定日から1週間以内)に起こることが多いため、調べない限り、普通の生理か、数日遅れの生理となんらかわりがありません。

ですが、調べてしまったために、その生理が化学流産だと気付き、傷つく女性もまた多いのも事実なのです。
 

また、着床場所が子宮内膜でない場合にも、同じように妊娠検査薬が陽性反応を示します。

これは”子宮外妊娠”と呼ばれるもので、9割以上が卵管で発生します。(他には、卵巣や卵巣周辺の筋肉や腹膜、子宮頸管で発生します)

この場合は、例え受精卵側に問題がなくとも、母体側で育てることが出来ないために、妊娠の継続は不可能です。
 

フライング検査で陰性だったのに、妊娠している可能性はある?

勿論、逆にフライング検査で陰性だった場合でも、実際に生理予定日の一週間後に確認したところ陽性になる可能性は大いにあり得ることです。

これを”偽陰性”と呼び、一番多いのはフライング検査によるhCGホルモンがしきい値以下だった時に起きることです。
 

先に触れた通り、女性の体は一人ひとり異なりますし、そのお腹に宿った赤ちゃんの成長もまた、一人ひとり異なります。

例えば、Aさんは生理予定日に陽性になったけれど、Bさんは5週目になってからしか反応しなかった、というケースも、何もおかしいことではないのです。

ですから、フライング検査の結果で一喜一憂するのではなく、「もしかして」と思う場合であるならば、必ず検査薬に示されている期間に検査薬を使った方がいい、と言われるのです。
 

他にも、偽陰性が起きるケースは、以下のようなものが存在します。

・水分などを大量に摂取してしまった後の尿で、hCGホルモンの濃度が低くなった時

・多胎妊娠(双子以上の妊娠時)や、検査する日数が遅くなりすぎてhCG濃度が妊娠検査薬の反応値を超えてしまった時

・胞状奇胎

・胎児の発育が止まった、停滞している等によりhCGの分泌が進まない時

が考えられます。
 

もし、検査薬で決められた日に検査したにも関わらず陰性で、それなのに生理がこない、体調がおかしいといった異常がある場合には、偽陰性を疑い、産婦人科を受診すべきだと言えます。
 

妊娠検査薬は、あくまで”hCGホルモンの検出役”

妊娠検査薬には、通常のものよりも、早期に検査が可能な”早期妊娠検査薬”が存在します。

これは通常の検査薬の閾値の半分の25mIU/mLから反応するもので、生理予定日の2日前から使用することが可能です。

しかし、国内では薬事法によって、薬剤師の問診を受ける必要がある為、海外製品の代行輸入に頼る人が多い様子です。

ただ、早期妊娠検査薬も、原理としては通常の検査薬と変わりありませんから、必ず試用期間からの検査をするようにしましょう。
 

現在、消費者として手にすることが出来る妊娠検査薬の精度は、一昔前のものと異なり、これ以上ないほどに高いものになっています。

しかし、それはあくまで”hCGホルモンの感知”に関してであり、胞状奇胎や子宮外妊娠といった異常妊娠や、偽陽性を引き起こす他の要因(絨毛癌、閉経、糖尿病、尿蛋白など)の可能性も捨てきれない部分があります。

ですから、陽性・陰性に関わらず、生理が遅れている、何か体調がおかしいと思った時には、必ず病院を受診すべきです。
 

妊娠検査薬のフライング検査は、検査をしたことで何か体調に変化があるわけではありませんから、”推奨されていない”という表現に留まります。

ただ、知らずに済んだことを知ってしまうリスクがあること、そして結局のところ、妊娠が確定するまで更に数週間待たなければならない点などを踏まえておきましょう。

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