妊娠中に旦那への愛情が冷めていく!? その原因と対処法
妊娠中、お腹の赤ちゃんへの愛しさが芽生えるのに、旦那への愛情が冷めていく――そうした悩みを持つ女性がいます。
この悩みを抱えたままにしてしまうと、出産後に”産後クライシス”に陥ることも珍しくありません。
何故、こうした愛情の変化がおきてしまうのか、どう解消すべきかを見ていきましょう。
このページの目次
妊娠中に旦那に対する愛情が冷めていく… どうして?
妊娠は夫婦間にとって、とても喜ばしいこと。
まだ生まれないながら愛しいお腹の中の我が子と、大好きな旦那、そして自分と、幸せを実感できる筈の妊娠期間。
家族が増える瞬間が待ち遠しい!――と、そのはずが、何故か側にいる夫に対して、愛情が冷めていくのを感じる女性は珍しくありません。
妊娠前は気にも留めなかった夫の行動に苛立ちを感じ、その存在を鬱陶しく思うことすらあります。
「旦那は本当に分かってくれているの?」
「私が妊娠しているのに、旦那は自分のことばかりでむかつく」
「何でこんな人を旦那にしてしまったんだろう」
そんな妊婦の嘆きの声が、多く聞こえます。
夫との子供を望んでいたはずなのに、その子供がお腹にいるのに、”旦那への愛情”が冷めていくのは何故なのでしょうか?
悩む女性の声を見ていると、いくつかのパターンに分類することが出来ます。
- 旦那に非はないけれど、無性に苛立つ
- 夫に”父親としての自覚”が見られない
- 夫に妊娠中の妻(自分)に対する理解がない
こうした妊娠中に感じる夫への気持ちの変化を放置していると、出産後に”産後クライシス”に陥る可能性があります。
このような心境の変化は何故起きるのか、そしてそれぞれのパターン別に、どのように解消していくべきかを見ていきましょう。
旦那は悪くないのにイライラするのはホルモンのせい
まず、”旦那は悪くないのに苛立ちを感じてしまう”ケースを見てみましょう。
妊娠中も妻を思いやり、理解をし、何かと手伝いもしてくれる、いわば”完璧な旦那”であっても、どうしようもなくイライラして愛情が持てなくなっている…。
こうした悩みの原因は、女性本人にあります。
とは言っても、これは我儘だとか、性格が悪いといった類のものではありませんから、安心してください。
本当の犯人は”ホルモン”なのです。
ホルモンと一言で言っても、人間の体内で分泌されているものは、挙げればキリがないほど存在し、これらがあるからこそ、人間は生命活動を行えるほど重要なものです。
女性の妊娠・出産、そしてその準備にあたる月経も、ホルモンの働きがあってからこそ可能なのです。
女性ホルモンを始めとしたいくつかの体内物質の働きにより、体は妊娠に至り、そして妊娠中・出産後も子供を育めるように体を作り変えてくれるのです。
ただ、この急激な体の変化に、精神はなかなかついていけません。
ただでさえ、妊娠に関する様々なことで不安を感じがちな時期に加え、自分の体がどんどん変わっていってしまうという、一種の恐怖を感じることだってあります。
また更に厄介なのは、女性ホルモンと称される卵胞・黄体ホルモンのバランスは、女性の精神を大きく左右する作用があるのです。
このような二重、三重の不安が、”旦那への愛”を揺るがしてしまうのです。
妊娠中の情緒不安定さはいつか必ず終わるもの
もし、自分自身の旦那への愛情が変化してしまったことに戸惑っているならば、まずは冷静になることを心がけてください。
例えホルモンバランスが原因だとしても、思いつくままに、夫に対して辛くあたっても当然!ではありません。
あなたにとってはたった一言でも、夫に向けた無自覚の言葉の刃が、彼の心を深く、癒せないほど傷つけてしまうことすらあるからです。
リラックス効果のあるハーブティーを飲んだり、好きな曲を聴く、楽しい本を呼んだり、映画を見るなど、気分転換をしてみましょう。
続いて、自分の気持ちが不安定なことを、最初から夫に伝えておくのもいいでしょう。
ただし、「あなたに対する愛情がなくなった・わからなくなった」などとは言ってはいけません。これは致命的なミスです。
「今は一杯一杯で、なかなかあなたの愛情に答えられなくてごめんね」、「私は八つ当たりしちゃっているのに、それでも支えてくれてありがとう」など、言い方を工夫しましょう。
面と向かって言えないのであれば、手紙やメモ、メールでだって構いません。
ごめん、そしてありがとう、という言葉は、夫婦だからこそ必要な言葉です。
このケースの不安や苛立ちは、必ずいつか終わりますから、まずは心身をリラックスし、ホルモンの嵐が過ぎるのを待ちましょう。
旦那から父親の自覚が感じられなくて愛情が減っていく…
続いてのケースは、”旦那に父親としての自覚が見られず、愛情が湧かなくなる”場合です。
お腹の子供に対して無反応だったり、エコーの写真を見せてみても、何処か他人事のよう。
こうした妊娠、そしてお腹の中の赤ちゃんへの興味が見られず、自分のことばかりの夫の姿を見ると、愛情を感じられなくなります。
特に、夫婦にとって初めての子供、かつ夫の近親者に子供がいない場合、こうした状況に陥りやすいようです。
正直な話、男性にとって妊娠は、どう頑張って考えても理解が及ばない事象である、という大前提があります。
勿論、妻のお腹の中にいる子は自分の子だと分かっていても、体調の変化で否応なく”母親”としての自覚をする女性とは違い、身を持って経験することが出来ないためです。
実は、筆者の夫もこのタイプの人でした。
待ち望んだ子でしたし、つわりの最中には家事をしてくれたりと、”妻”である筆者への思いやりは感じられましたが、何だか妊娠に対しての温度差があり、「嬉しいのはもしかして私だけ?」と、とても不安になっていました。
この時期のことを、夫本人曰く、「とにかく嬉しいけれど実感が沸かない」状態だったと後に語っていました。
白黒の、説明されなければどんな状態かわからないエコー写真を見せられても、やはり現実味の沸かない話に感じていたそうです。
ちなみに、そんな夫の父親としての実感は、6ヶ月検診(20週目)でのエコーに立ち会ってもらった時に生まれたそうです。
父親としての自覚は、今はなくともいつか芽生えるもの
このような男性の場合、父親としての自覚が生まれるのはいつなのでしょうか?
”自覚”という言葉通り、こうしたものは、夫の心自身がはっきりと認識しない限り、持つことは叶いません。
どんなに妻側から無理に「父親としての自覚を持ってよ!」と言ったところで、夫本人の心が”気付き”をしないかぎり、父親の自覚や父性が芽生えることはないのだと、女性は知っておかなければなりません。
決して、妻と子に愛情がないわけではありません。
ですから、女性としては、「お腹の子供に愛情が持てない旦那なんて嫌いだ!」と考えがちではありますが「そういうものだからしょうがない」と、考え方の方向を切り替えましょう。
その上で、夫に自覚を促すきっかけ作りを、その時々にアプローチしてみましょう。
胎動を感じる頃になったなら、テレビを見ながらお腹を触っていてもらったり、赤ちゃん用品の買い出しに行く時は、自分の希望ばかりを押し付けず、夫の好みに合わせてみたり、定期検診や両親学級に一度付き合ってもらったりと、方法は様々です。
結局、生まれるまで実感が沸かなくても、生まれてきた子を抱いたり、沐浴をしたりといった育児が始まってから、唐突に自覚する人もいますが、これだっておかしいことでも、薄情なわけでもありません。
男の人ってみんなそういうものみたいね、と、余裕を持って見守りましょう。
妊娠中の妻に理解のない旦那 どう対処すべき?
一番問題となるのは、”妊娠中の妻に対しての理解がない”ケースだと言えます。
このような男性は、多くの場合、妊娠について偏った知識を持っていることが、非常に多くあります。
例えば、自分の母親、姉や妹といった近親者の体験を聞き、「それが普通」だと思い込んでしまったり、つわり=吐くものであり、食べづわり等の他の症状があることを知らない、「妊娠は病気ではない」と、普段と変わらない家事・仕事のクオリティを求めたり…と、自分の偏った知識に固執し、妻の訴えを聞き入れないのが特徴です。
この場合、まず妊娠・出産について正しい知識を知らないことが、何よりの問題と言えます。
男性には女性から聞く話からでしか、妊娠について知る機会はありません。
自分から進んで、育児書やインターネットなどで正しい知識を調べようとしてくれる男性の方が、珍しいものだと思ってください。
また、自分の状況を理解してほしいからと、感情任せに説明しても、あまり効果は得られません。
そんな時は、主治医からの説明をしてもらったり、父親学級、両親学級への参加を促してみましょう。
専門家から順序立てて説明される方が、男性にとってはすんなり理解しやすいこともあります。
それでもなお、妻である自分の状態を理解してくれないのであれば、夫の母である姑や、自分の親などを交えて話し合うなどの方法を取ってみる必要もあるかもしれません。
夫婦間では率直な会話を心がけてみませんか
本来は幸せなはずの妊娠期間ですが、様々な要因が重なって、夫婦間を危うくすることがあります。
しかし、「旦那は理解してくれない!」と妻、つまり女性は考えがちですが、本当に理解してもらうために、自分の状況を夫に説明したことはありますか?
女性はつい、”言葉で言わなくても伝わっているはず”と心境を察することを相手に求めますが、男性からすれば「言ってくれなきゃ分かるわけがない!」となるわけです。
女性は場の空気を読み、それに同調することを得意としていますが、男性はそうではありません。
何かを伝えたいなら、回りくどい方法を取らずに率直に伝えましょう。
例えばつわりが辛く、夕食の用意が出来ないのであれば
「つわりが辛いの…」で終わるのではなく
「つわりが辛くて夕食がつくれません。悪いけど私の分も買ってきてもらいたいな。麺類だったら食べられるから」
というように、”お願いごとは全て伝える”のがポイントです。
最初からちゃんと伝えれば、思い通りにしてもらえなかったからとがっかりすることもありませんし、夫としても行動が取りやすくなります。
これは一例に過ぎませんが、こうした会話の1つずつが、夫婦の愛情を深めていきます。それは妊娠中も、出産後も変わりません。
夫婦のボタンの掛け違いを直せるのは、二人のコミュニケーションだけです。
お互いの気持ちを率直に話し合い、風通しの良い家庭で、新しい家族を迎えられるようにしてみましょう。
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