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妊娠糖尿病ってどんなもの?検査で尿糖が出たら注意して!

妊娠が確定すると、妊婦さんは定期的な妊婦健診を受けることになります。

この妊婦健診で毎回行う尿検査は、妊娠糖尿病を始めとした病気の有無を調べるためにとても重要な検査です。

今回はこの検査によって分かる”尿糖”について詳しく見てみましょう。

妊娠後に定期的に受ける妊婦健診で尿糖が出たら要注意!?

妊娠が確定し、無事に母子手帳の発行が済んでから、妊婦さんは定期的に産婦人科・助産院に通院して、妊婦健診を受けなければなりません。

一般的な、特に異常のない妊婦さんの場合、検診の回数は14回程度。妊娠時期により、通院間隔は異なります。

この検診の度、血圧・脈拍、そして体重といった項目の検査の他に、内診、エコー、血液検査といったものが含まれることもありますが、これらは全て、お腹の中の赤ちゃんと、妊婦さんを守るための大事な検査です。
 

その中で、毎回必ず行われる検査に”尿検査”があります。

尿は体の重要なバロメーターであり、この検査結果によって、異常に早期に気付いたり、改善する必要があるかの判断材料となるのは、妊婦さんにとっても変わりません。

それどころか、妊娠中特有の病気を防ぐための、とても重要な検査なのです。
 

母子手帳の検診のページに、”尿蛋白”と”尿糖”の欄があるのが確認できるでしょう。

これが”-”であるならば、特に問題はない範囲です。

ですが、”+”以上であった時には、生活習慣や食事の改善が必要になり、場合によっては更なる検査や治療が急務となることもあり得ます。
 

この尿糖が+、つまり陽性になった時には、どんなことが起こる可能性があるのか、また改善方法には何があるのかなどを見ていきましょう。
 

尿糖が出たら妊娠糖尿病!?これってどんな病気?

尿に糖が出る、と聞くと、多くの人が糖尿病を連想するでしょう。

糖尿病はもう説明の必要が無いほど有名な病気ですが、妊娠前から糖尿病であった人を除き、妊娠中にのみ発症する糖尿病が存在します。
 
それが”妊娠糖尿病”です。

(ちなみに、妊娠前から糖尿病に罹っている場合には”糖尿病合併妊娠”と呼ばれ、妊娠糖尿病とは区別されます。)
 

何故、妊娠中にのみ発症するのか、というと、いくつかの理由があります。

一番大きな原因は、胎児に栄養を優先的に届けようとする体の自然な働きから、血糖値が通常よりも上がりやすい状態になってしまっているのです。

そのため、妊娠前と同じ食生活を続けていると、その内容によっては血糖値が上がってしまうのです。
 

他にも、つわりの影響で、甘いものを食べ過ぎたり、逆に塩分や油分を摂り過ぎるといった、偏った食生活を続けた場合や、運動不足、必要以上の体重の増加など、妊娠中は何かと尿糖が出やすい状態になっているのです。
 

妊娠糖尿病は、通常の糖尿病よりも軽度であり、血糖値が上がる原因になっていた胎盤も排出されることから、出産後に治ることがほとんどです。
 
しかし、妊娠糖尿病に罹ったことがある女性は、将来的に糖尿病を発症するリスクが高まるという研究結果も存在しますから、やはり自分のためにも避けるべき疾患と言えます。
 

妊娠糖尿病のリスクが高い人ってどんな人?

「出産後に治るのであれば、そこまで厳しく管理しなくてもいいのでは?」と考えたくもなりますね。

しかしながら、妊娠糖尿病の自覚症状は、「喉の渇き・頻尿・疲労感・急激な体重増加」と、妊娠に伴って現れる症状と同じため、それと判断がつきにくい上に、妊婦さん自身、そして胎児にとっても悪影響があるために、注意喚起されているのです。
 

妊娠糖尿病を放置してしまうと、”妊娠高血圧症候群”(以前は”妊娠中毒症”と呼ばれていました)を併発する可能性が高くなるばかりか、早産や流産、難産の原因にもなります。

また胎児にも、巨大児、胎児発育不全、胎児機能不全、先天性奇形、新生児低血糖、黄疸(高ビリルビン血症)などといった、症状によっては赤ちゃんの命の危険がある疾患の原因を引き起こしてしまいます。
 

妊娠糖尿病に罹りやすい人の条件には、以下のようなものがあります。

  • 肥満、または太りぎみ(妊娠前のBMI値が25以上)
  • 高齢出産(35歳以上)
  • 妊婦の母親も妊娠糖尿病の罹患歴がある
  • 近親者に糖尿病を発症している人がいる
  • 流産、早産の経験がある

こうした因子を持つ人であるならば、尿糖の有無について特に注意すべきだと言えます。
 

もちろん、上記の条件に当てはまらないからと言って、油断することは出来ません。

妊婦さんのうち1割以上が、妊娠糖尿病を発症しているのです。」
 

尿糖が出たら絶対に妊娠糖尿病になる?

先に触れた通り、妊娠糖尿病は自覚症状が気付きにくいため、妊婦健診ごとでの尿検査が欠かせない要素になっています。

ただ、一度尿糖が陽性となっただけで、他に妊娠糖尿病が疑われる所見がない場合などは、経過観察や簡単な食事や生活指導で終わる場合がほとんどです。
 

それでも尿糖が改善しない場合には、”GCT/GCTT”(経口ブドウ糖負荷試験/空腹時経口ブドウ糖負荷試験)と呼ばれる血液検査を行い、本格的な妊娠糖尿病の検査が行われます。
 

この検査は、ブドウ糖を水で溶かした溶液を飲み、その後の血糖値の変化から異常がないかを確認するテストです。

一般的に妊娠初期の場合は”50gGCT”、妊娠中期以降は”75OGTT”が行われます。
 

50gGCT

 食事時間に関わらず、50gのブドウ糖を溶かした水を飲み、1時間後に血糖値を計る
 
 その血糖値が140mg/dl以上であった場合、70gOGTTの検査を行う
 

75OGTT

 朝食を抜いた状態で1回目、続いて75gのブドウ糖液を飲んで1時間、2時間後の2回、計3回の血糖値を計る
 
 その結果

  • 空腹時血糖値 92mg/dl以上
  • ブドウ糖液摂取後1時間後 180mg/dl以上
  • ブドウ糖液摂取後2時間後 153mg/dl以上

上記のうち1項目でも満たすと、妊娠糖尿病と診断される
 

実はこの診断基準は、近年になってより厳しい数値に変更されました。

これは、妊娠糖尿病の基準を国際的に統一するためであり、結果として国内で妊娠糖尿病の患者数が4倍近くに増えました。

ですが、そもそも尿糖は”出て良いものではない”のですから、陽性になった時点で注意しなければなりません。
 

妊娠糖尿病の治療方法ってどんなもの?胎児に影響はあるの?

もしも、妊娠糖尿病だと診断された場合には、どんな治療が行われるのでしょうか?
 

これは、やはり通常の糖尿病と同じく、食事療法が主な治療となります。

妊娠初期のBMI値を基準として一日の総合摂取カロリーを計算し、その範囲に納まるような食事内容にしなければなりません。

炭水化物や果物、スポーツ飲料といった、糖質を含んだ食品を避けつつ、かつ妊婦さん自身と胎児に無理のないよう、他の栄養素はしっかり取らなければなりません。
 

加えて、1日の食事回数を増やし(その分1回の摂取カロリーは低く抑え)、急激な血糖値の上昇を防ぐことになります。

そして毎食後の血糖値を計り、数値の正常化を図るのです。
 

また同時に、運動療法を取る必要があります。

勿論、激しい運動などは妊婦さんには出来ませんから、ウォーキングを始めとした有酸素運動、マタニティヨガなどの妊婦さんを対象とした運動が主になります。
 

こうした食事・運動療法の効果が見られない場合には、インスリンの投与が行われ、かつ入院が必要なケースも存在します。

入院期間は人によって異なりますが、一般的に数日から一週間程度になります。

気になるのは、インスリンの投与が胎児に影響が出ないかどうかですが、妊婦さんに使われるインスリンは、胎児に対する影響がないものが使われます。
 

妊娠糖尿病を回避するために、どんなことをすべきか

では、妊婦健診の結果で尿糖が出てしまった時は、妊娠糖尿病にならないために、どんなことをすべきでしょうか?
 

まず何といっても、”甘いものを食べすぎない”ことが重要です。

甘いもの、というと、スイーツを思い浮かべがちですが、炭水化物も消化されて糖に変化するのですから、白米やパン、パスタといった主食も、食べすぎには注意しましょう。

(実際、筆者自身も一度”尿糖++”という結果が出たことがありますが、これは朝食の代わりに甘いパイを食べたこと、その後1時間以内に検診があったことなどが原因だったためか、以降の検診では尿糖は出ませんでした。)
 

続いて、”塩分の摂り過ぎに注意する”です。

塩分の摂り過ぎは、血圧が高くなって妊娠高血圧症候群のリスクが高まるばかりでなく、尿糖が出やすくなる一因にもなります。

また妊娠後期の妊婦さん悩みの種になるむくみの原因にもなりますから、控えるに越したことはありません。
 

日本では、醤油に味噌と、塩分が含まれた調味料が使われているため、世界的に見ても塩分摂取量が多い国です。

ですから、自分で注意して選ばなければ、自ずと塩分のとりすぎを引き起こします。

ただ、極端に塩分を控えようとすると、体に逆にストレスがかかりますから、調味料を減塩タイプに変える、普段よりも少し、味付けを薄めにする程度から始めていきましょう。
 

一度尿糖が出た時点で、妊娠中の生活を見直そう

食事の内容に気を使うだけでは、妊娠糖尿病のリスクを減らすことは出来ません。

やはり、摂取したカロリーを消費する、つまり”適度な運動をする”ことも必要です。

運動をすることにより、体中の筋肉はブドウ糖を消費していきます。つまり、必然的に血糖値が下がりやすくなるのです。

だからといって、無理をして、お腹が張ってしまったり、本人が体を壊してしまっては元も子もありませんから、あくまで無理のない範囲に留め、継続することを第一の目標にしましょう。
 

そして”ストレスを溜めず、規則正しい生活をする”ことも、やはり尿糖を出さないためには絶対不可欠な要因です。

ストレスを感じると、脳は糖分を欲しがったり、体調も優れなくなるばかりでなく、筋肉の緊張を呼んで体が冷えてしまいます。そうなると今度は体が休まらなくなり、夜に眠れなくなる…と、全てが繋がっています。

ただでさえ不安な妊婦生活に、妊娠糖尿病のリスクを考えると、どうしてもネガティブ思考に陥りがちですが、気にすることが逆にストレスにならないよう、気分転換に(食べること以外の方法で)出来ることをしましょう。
 

一度妊娠糖尿病になると、その改善のために様々な制約がついてしまいます。

尿糖が一度出た時点で、一度自分の妊娠生活を見直し、健康な状態で出産に挑めるように心がけましょう!

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