妊活中から出産後まで 積極的に摂りたい葉酸サプリメント!
2017.1.26
これから妊活をはじめようという女性、現在妊娠中の女性、どちらにも重要な栄養素があることをご存知でしょうか?
それが”葉酸”と呼ばれるビタミンです。
しかし、この葉酸を食べ物から摂取するのは、なかなか難しいと言えざるを得ません。
そこで、女性にとって頼もしい味方として登場するのが”葉酸サプリメント”なのです!
何故、妊活・妊娠中に葉酸サプリメントが必要なの?
薬局、ドラッグストアなどの棚にサプリメントがずらり、という光景は、忙しく、栄養が偏りがちな現代において、もはや珍しいものではありません。
ビタミン類や各種ミネラル、酵素にアミノ酸といったものから、ダイエット用、老化防止用などの効果をまとめたものなど、消費者の望みや悩みにピンポイント!といったものまで存在します。
そんな中、”妊活・妊娠中の女性に”や”いつまでも若々しくいたい女性用”というキャッチコピーを目にしたことがあるでしょう。
こうした商品の中身には、ある共通の成分が含まれていることをご存知でしょうか。
その成分こそ、”葉酸”と呼ばれるビタミンなのです。
そもそも、葉酸とはどういった成分なのでしょう。
葉酸は、”水溶性ビタミン”(水に溶ける性質をもったもの)の中の一つであり、”ビタミンB群”に含まれるものです。
ほうれん草のような、緑の濃い葉を持つ野菜などによく含まれる成分であることから、この名前が付きました。
葉酸は、”代謝”と”造血作用”という体の機能に大きく関わる成分です。
- 細胞内の成分に働きかけ、細胞の再生・生産の手助けをする
- 血液中で酸素などの運搬を行う、赤血球の生産を助ける造血効果
- 動脈硬化の予防および虚血性心疾患の予防
- 体内の粘膜(内蔵壁、目、鼻、口の中など)の状態を健康に保つ
- 貧血の予防
そんな葉酸が、特に妊活中・妊娠中の女性に必要だと言われるわけは何故なのでしょうか?
葉酸サプリメントを摂る必要があるのはどんな人?
葉酸は、健康的な生活を送るために、万人に必要な栄養素だと言えます。
しかし、特に妊活中、妊娠中の女性に必要だと言われるのは何故なのでしょうか?
それには、葉酸の持つ効果のうち、”細胞の再生・生産の手助けをする”効果が特に関わっているのです。
この効果について、少し詳しく見てみましょう。
人間の細胞の中には細胞核という部分が存在します。これこそ、細胞の中心部。この細胞の中には”核酸”という物質が含まれています。
この核酸、つまりは”DNA”や”RNA”、つまり”遺伝子”と呼ばれるもので、その人を形作る設計図です。
体の中の細胞は、この遺伝子の設計図通り、絶えず分裂・再生を繰り返しているからこそ、人は生命活動が行えているのです。
しかし、細胞分裂――1つの細胞が2つに増えるためには、多くのエネルギーと、細胞の材料となる物質が必要になります。
もし、この材料が少ないと、正常な細胞が生まれなくなってしまいます。
そして、体の機能の全てを記してある設計図――遺伝子のコピーにも異常が発生します。
コピー機を想像してみてください。トナーやインクが足りない状態で書類をコピーしようとすると、文字のかすれ、色の欠落などが起きて、印刷物は台無しですね。
これと同じことが、細胞分裂の際にも起きてしまうのです。
不完全な遺伝子を持つ細胞が増えると、時に体に重大な疾患を招きます。
それを防ぐのが、葉酸なのです。
葉酸は、核酸の元となり、正しくコピーが繰り返されるようにしてくれる、とても重要な栄養素なのです。
体内の赤ちゃんは、元は一つの細胞です。その細胞が分裂を繰り返し、時が来れば一人の人間として、この世に生まれてきます。
このお腹の中の赤ちゃんの栄養源は、妊娠中の女性の血液中の栄養素に掛かっています。
赤ちゃんの細胞分裂が正常に行われるために、お母さん自身が葉酸を摂り、それをお腹の中の赤ちゃんに渡してあげなければなりません。
こうした理由から、妊娠中の女性には葉酸が必要だと言われているのです。
妊活中から葉酸サプリメントを摂る必要あり!その理由とは?
「じゃあ、妊活中に女性が葉酸を摂る必要はないんじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、これは大きな間違いです。
女性の体内、特に妊娠に不可欠な子宮内膜という組織は、粘膜で構成されています。
この子宮内膜が、子宮の内側以外にできてしまう”子宮内膜症”という疾患は、不妊症の原因の実に2割から3割にのぼると言われています。
他にも、この子宮内の粘膜が正常に整っていないため、受精卵が着床できない”着床障害”が起きてしまい、結果として不妊症となる女性は、決して無視できない数にのぼっているのです。
ここで注目されるのが、葉酸の持つ”体内の粘膜の状態を健康にする効果”、そして”血液の生産を助ける造血効果”です。
勿論、子宮内の疾患は、専門医による治療が必要な場合も多いため、そうした場合には、葉酸を摂取すればすぐに妊娠が可能になるわけではありません。
しかし、葉酸は、こうした疾患や、日々のストレスや冷えなどで疲れてしまい、健康な状態を保てなくなっている子宮の内膜を整えてくれます。
そして多くの女性が悩む体の冷えも、子宮や卵巣の元気を奪い、生理不順や不妊症、不育症の原因となります。
ここでも、葉酸のもつ造血作用が、改善の手助けになってくれるのです。
体中を巡る血流が増えれば、その血液を送り出す心臓の力も強まり、ひいては体の隅々にまで、熱く、酸素と栄養を豊富に含んだ血が行き渡ります。
そうすることで体温が上がり、体の調子も整えられ、妊娠に適した体の基礎を作ることができるのです。
更に言えば、葉酸は卵子の質も向上させる効果が期待できます。
卵巣の中に眠る卵子の元――原始卵胞は、脳の司令を受けて成熟を始めます。
この時、やはり成熟に必要なだけの栄養素がなければ、受精に適した状態にまで成長することは叶いません。
しかし、卵子が十分に栄養素を取り入れて成熟すれば、それだけ健康な卵子が排卵され、受精後の細胞分裂においても十分耐えうる質を持つことが可能になるばかりか、着床の可能性を大いに高める効果が期待できます。
こうした効果を、果たして無駄と言えるでしょうか?
ですから、妊活中から葉酸の摂取は重要だと言えるのです。
妊娠中からでも遅くない。葉酸サプリメントの摂取がもたらす効果
お腹の中の赤ちゃんは、元はたった1つの細胞です。
それが、ヒトとしての形をとり、生まれてくるまでに、なんと60兆個にまで増えるのです!
それも、同じ細胞がただ60兆個に増えるわけではありません。文字通り髪の毛から指の先まで、それぞれの器官ごとの役割をこなすために、複雑に分裂・成長を繰り返すのです。
これは”分化”と呼ばれる仕組みで、例えば髪の毛の細胞と胃の細胞のように、元は1つの細胞で同じ遺伝子を持つにも関わらず、働きが全く異なる細胞に変化していくことを指します。
この成長にかかるエネルギーもさることながら、正確さ・緻密さは、まさに生命の神秘と言わざるを得ません。
さて、ここで成長のために使われるエネルギーや体を作る”材料”は、何処から賄われるのかというと、お母さんの血液です。
酸素も、栄養素も、赤ちゃんは何から何までお母さん頼りなのですが、そのお母さんの血液内に、赤ちゃんの成長を助けるための栄養素がないと、赤ちゃんは健康に成長することは出来ません。
そして、先に述べた通り、正常な発育のためには、細胞分裂と成長、分化が正しく行われる必要があります。
そこで、葉酸の持つ”細胞の生産を助ける”効果が、大きな力を発揮し、赤ちゃんの発育を大いに助けてくれるのです。
葉酸の効果は、それだけに留まりません。
葉酸サプリメントを継続して摂取し続けることで、赤ちゃんの体重が低いまま生まれてくる未熟児を防ぐ他、出産までまだ時間があるのに、胎盤が剥がれる”早期胎盤剥離”を防ぐ効果も期待できるのです。
またお母さん――女性にとっても、妊娠中の葉酸不足は様々な不調の元になりかねません。
妊娠中、多くの女性が悩むようになる貧血、これは胎児及び胎盤の維持に、多くの血液を要するためです。
ただ血液が足りなくなるだけならまだしも、赤血球が通常よりも巨大になる巨赤芽球性貧血や、悪性貧血になる可能性も高くなりますし、その血液を循環するための心臓・血管にも、通常時に比べて負担が倍増する可能性が高くなります。
加えて、高血圧や妊娠性糖尿病のリスクも高くなりますが、これらを全て解決してくれるのが葉酸の持つ働きです。
これらを踏まえると、赤ちゃんを健康に育てるためには葉酸は不可欠であり、また赤ちゃんを宿すお母さん自身の健康のためにも、葉酸が不可欠だということが分かるかと思います。
葉酸サプリメントを出産後にも継続して摂取したい理由とは
では、無事に出産を終えたなら、もう葉酸サプリメントは不要かというと、そんなことはありません。
赤ちゃんは、産まれた時は、まだ赤ちゃんの体は人間として不完全であり、母乳やミルクを得ることで、徐々に成長していきますね。ここでも、やはり細胞の成長が起きているわけです。
加えて、今までお母さんのお腹の中で守られてきた状態でしたが、生まれでてからは、外界からの刺激を直に受けることになります。
呼吸をするために、鼻や喉の粘膜は常に雑菌に晒されることになりますし、皮膚の新陳代謝は活発で、ちょっとした刺激でも傷つきやすいものです。
傷ついた皮膚を放置してしまうと、それが原因で刺激物に敏感となり、アレルギーを発症する可能性があります。
そんな赤ちゃんの栄養源は、多くの場合母乳となるでしょう。
この母乳は、お母さんの血液から出来ています。
つまり、お母さんにとっても、出産後も大量の血液が必要なことを意味しています。
また、産後の子宮は傷つき、疲れています。
この疲れたままの子宮をそのままにしてしまうと、以降の生活に大きな支障をきたすことになりかねません。
そうした様々なリスクを回避できるのが、葉酸の持つ力です。
赤ちゃんにとっては
- 成長の助け
- 粘膜の正常化
の効果が、
お母さんにとっては
- 母乳量の増加
- 貧血の回避
- 子宮の回復の促進
と、お互いにとってまさにいいことづくめと言えるのです。
葉酸を摂取することで、ダウン症や奇形などの先天性疾患を防ぐことは出来る?
妊娠中、子供が健やかに生まれてくることを望まない親はいないでしょう。
しかし、時に、先天性の疾患――ダウン症や、体の内外に現れる奇形を持って生まれてくる子供がいることは、紛れも無い事実です。
そもそもダウン症とは、本来は計46本であるはずの染色体が1本多くなる、つまり47本の染色体を持つようになる、染色体異常です。
これらはほとんどが突然変異で起こるものであり、その原因は現代においても完全に解明されていません。
ただ、受精卵の時点では、男親・女親からそれぞれ23本ずつの染色体を渡されており、最初の時点では46本と決まっています。
そこから細胞分裂を繰り返していく過程において、何かしらの要因が元で、染色体が1本多く生じてしまいます。これが”染色体異常”です。
何番目の染色体が1本多くなってしまったかによって、その後の発育が可能かどうかが分かれますが、ダウン症と呼ばれる疾患のほとんどは”21番染色体”に関わるものです。
ダウン症は、主に以下の3種類があります。
- 21番トリソミー型:21番染色体が3本
- 転座型:21番染色体の一部が、14番染色体と結合している状態
- モザイク型:染色体数が正常な46本の細胞と、47本の細胞が交じり合っている状態
これら以外の染色体数の異常も存在しますが、発症した場合は、その時点で(受精卵・胎児)成長が止まるか、産まれた後も長く生きられないことがほとんどです。
考えられる疾患は、ダウン症だけではありません。
特に妊娠初期の妊娠4週目から12週において、胎児に渡る葉酸が不足すると、”神経管閉鎖障害”という先天異常が発生する可能性があります。これは本来ならば繋がるはずの脳や脊髄が閉鎖、つまり分断されてしまう疾患です。
その閉鎖が起きる場所によって、それぞれ以下の疾患となります。
- 二分脊椎症:背骨(脊椎)の形成が不完全になり、神経管に異常が生じる疾患。
- 無脳症:脊椎の上部で形成不全が起こり、文字通り脳がつくられない。
特に無能症の場合は、流産や死産の割合が高く、また生まれたとしても、生命活動を司る脳幹という部位が欠損していることが多く、ほぼ生存することは出来ません。
他にも、この時期に正常に細胞分裂や成長が行えず、成長出来なかった時は、胎児は成長を止め、結果として流産に繋がります。
これ等の先天性疾患や妊娠初期に起きる自然流産の原因が、すべて母親の葉酸不足によるものとは言えません。
むしろどんなに女性が気を配っていても、その受精卵(ひいては胎児)自身の生命力が弱かった場合の方が多く、どうしようもない時のほうが多いからです。
しかし、妊娠初期に、積極的に葉酸を摂取することで、ダウン症や神経管閉鎖障害といった先天性疾患を回避することは可能であるという、専門機関による確かな調査結果が存在します。
ですから、少しでも愛しい子供にかかるリスクの回避を望むのであれば、葉酸サプリを摂るべきだと言えます。
葉酸の摂取に何故”サプリメント”が適しているのか?
「でも、サプリメントに頼るのはちょっと…」
「自然に摂れる方法ではダメなの?」
という意見もあるでしょう。
勿論、必要量を食事で摂取できるのであれば、(葉酸に関わらず)サプリメントに頼る必要はないでしょう。
葉酸を多く含む食材は、以下のようなものがあります。
- ほうれん草
- 枝豆、そら豆などの色が緑色の豆類
- レバー
- 納豆
これらは簡単に手に入る食材ですし、自然が一番と思うかもしれませんが、大きな落とし穴があります。
葉酸の大敵は”熱”! 調理法によっては効果は半減
何故、食品から葉酸を摂るのが難しいかというと、何よりもまず、葉酸が”熱に弱い”成分であることが原因として挙げられます。
ほうれん草を例として挙げると、一番身近な食べ方は”おひたし”でしょう。
しかし、おひたしにする時、熱を加えることで、ほうれん草に含まれる葉酸のうち、半分以上が熱によって壊れてしまいます。
では、生のままで摂取すればいいと思うかもしれませんが、今度はその量が問題になってきます。
妊婦が1日に摂取すべき葉酸量は”400マイクログラム”と言われます。つまり0.4ミリグラム。グラム換算でいうと0.0004グラムと、ごく微量なことが分かります。
しかし、これを未調理のほうれん草に換算すると、2束分にまでになり、果たしてこれを毎日摂取できるでしょうか?
葉酸のもう一つの性質も、食物からの摂取をより困難に
もう一つ、食品からの摂取を難しくしているのが、葉酸が”水に溶けやすい”性質を持つことが挙げられます。
おひたしを作るために、お湯で湯がくのは勿論のこと、水洗いするだけでも葉酸は水に溶け出し、流れ落ちてしまいます。
ここでも、ほうれん草に含まれる葉酸の量は減ってしまい、最終的には7束ものほうれん草を食べなければならない、という意見もあるほどなのです。
熱を通さず食べられる納豆であっても、一般的なものであれば1日7パックにものぼりますし、こうなると別の要因(味付けに使う調味料に含まれる塩分過多や、カロリーオーバーなど)を引き起こしてしまいます。
こうしたことを踏まえると、サプリメントで葉酸を摂取する方が、あらゆる面で適していることが分かるかと思います。
葉酸サプリメントは、いつからいつまで摂取すべき?
では、妊活中の葉酸サプリメントを摂取すべきなのはいつからと言えるのでしょうか?
葉酸自体は、いつからでも摂取すべき、体にとって必須の栄養素であることはこれまでにも触れてきました。
ですから、本当の意味で健康を保ちたいのであれば、いつからでも摂取することが好ましいと言えます。
特に、子宮内膜症などを抱えている女性であれば、治療を勧めるのと共に、自分でも葉酸サプリを摂取し、自身の体の状態を少しずつ整えていくのもいいでしょう。
しかし、妊娠に気付いてから飲み始めるとしたら、いつからが適していると言えるのでしょうか?
葉酸サプリメントは、妊活中か、妊娠に気付いた時が飲み始めの時
これについては、”妊娠に気づいたらその時”が飲み始めるべき時だ、と言うことが出来ます。
通常、妊娠が確定するのは受精卵が子宮内膜に着床してから。妊娠周期としては、妊娠4週間目頃です。
妊娠4週間目というと、ちょうど前回の生理が終わり、通常ならば次の生理が始まる頃です。と同時に、多くの女性はこの時期に、自分の体の異変を感じ出します。
生理予定日に生理がこない、基礎体温が下がらない、軽い出血・痛みがある(着床出血)、そしてなんだか気持ちが悪い…といった症状が出て「もしかしたら」と気付くのが大半だ、と言われます。
対して受精卵の方は、子宮内膜に着床し、その内部に入り込んで”胎芽”と呼ばれるようになります。
それまでは受精卵自体に含まれる栄養素(卵黄嚢、と呼ばれるもの)に頼っていたエネルギー源を、母親からも得るようになってきます。
そして同時期のこの頃から、受精卵改め胎芽は、生命活動に必要な臓器を形作るようになってくるのです。
この時期からの成長速度は、まさに爆発的と言っても過言ではないほどで、妊娠4週間目には心臓が形成、拍動を始め、6週間目には血液を送り出す本来の役割を果たしだすようになります。
そして、8週から11週には、それまでは魚のような形だった状態から、人の形を成し、”胎児”と呼ばれるまでに成長します。
つまり、妊娠初期ほど、葉酸の助けが必要になってくると言えるのです。
厚生労働省も推奨 葉酸サプリの摂取を推奨
先に触れた神経管閉鎖障害の発生率を抑えるため、厚生労働省は異例とも言える勧告を出しました。
それが「神経管閉鎖障害の発症リスク軽減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の促進について」(http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3a3-03c.pdf)という文書であり、インターネット上でも確認することができます。
実は、海外(特にアメリカなど)ではもっと以前から、妊娠初期の女性の葉酸が不足すると、胎児に神経管閉鎖障害が出る可能性が高いことが叫ばれていました。
そして実際、葉酸サプリメントを推奨することで、神経管閉鎖障害を持って生まれる子供の割合を、確実に減らすことに成功しました。
対して日本は、その当時は食生活が、現在ほど欧米化していなかった(つまり、食事で十分な量の葉酸を摂取する環境があった)ため、葉酸サプリメントの必要性は高くなかったのです。
しかし現在、食の欧米化、そして忙しさから来るファストフードの蔓延などが原因で、当時の欧米のように、サプリメントで補助的に葉酸を摂取する必要が出てきたのです。
厚生労働省が、こうした栄養補助食品であるサプリメントの摂取の推奨を行うことは、とても異例と言えますが、しかし、そうした異例の対策を取ってでも、葉酸サプリメントの摂取で先天性疾患を防げる、確かなデータがある、と言えるのです。
厚生労働省の勧告はどんなもの?
厚生労働省の出した勧告は、インターネット上で誰でも閲覧できる状態にはなっていますが、一般の人にとって何だか難しい内容のように感じます。
そこで、重要な部分について、いくつかここに記します。
- 妊娠可能な年齢の女性にとって、神経管閉鎖障害の発症リスクの低減のために、葉酸をはじめとしたビタミンを含む、バランスの取れた食事が必要である
- 妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までの間、葉酸をはじめとしたビタミンを置く含むバランスの取れた食事が必要である
- 野菜を350g程度、その他の食事も適正量摂取すれば、400マイクログラムの葉酸の摂取は可能だが、現代の食生活でこれを満たすことは困難な状態である
- そのため、普段の食事に加え、栄養補助食品(サプリメント類)から葉酸を摂取することを、そして葉酸を400マイクログラムの摂取をすることで、神経管閉鎖障害のリスクが低減されることを、専門医は妊婦に周知すべきである
- 神経管閉鎖障害などの先天性異常の多くは、妊娠直後から10週以前に発生するため、妊娠の前からの摂取が最も好ましい
妊活、妊娠中には、必要な栄養素をバランスのよく摂りたい!
妊活・妊娠中には、葉酸以外にもバランスのよい栄養素を摂る必要が出てきます。
何しろ、お母さんになるための下準備、そして赤ちゃんの栄養+それを支える自分の体の健康を保持する必要があるのですから、妊娠を前提としていない時と同様の食生活・栄養バランスを続けていてはいいことは何もありません。
実際、現代の女性の誰もが持っている「痩せたい」という願望ですが、妊活中に自分の体のダイエットを優先し過ぎると、いざ妊娠した時に、どんなに栄養を摂ろうとしても、体がそれを受け付けない状態に陥ることが少なくありません。
こうした状態では、切迫早産や早産を起こしやすくなるだけでなく、赤ちゃん自身が十分に育つことが出来ないまま、低体重で生まれてきてしまうことも珍しくありません。
影響は産まれた時の体重に留まりません。胎児のうちから栄養が少ない状態に慣れていると、大人になってから生活習慣病を発症するリスクが高くなるのです。
いつまでも若く美しくいたいのは、女性の願望で、それを否定することは出来ませんが、必要な栄養素をしっかりと吸収できる(そして妊娠中にはそれを赤ちゃんに受け渡せる)体に更新していく必要があります。
では、どんな栄養素が、妊活・妊娠中に必要なのかを見てみましょう。
赤ちゃんにしっかり育ってもらいたい… どんな栄養素が必要?
葉酸以外に、特に赤ちゃんに必要だと言われる栄養素はどんなものがあるのでしょうか?
- 炭水化物:ご飯・パン・麺類など
- たんぱく質:肉、魚などの動物性タンパク質、大豆に代表される植物性タンパク質
- カルシウム:牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品
- ミネラル:炭素、水素、酸素、窒素以外の元素のうち、人間の生命活動を支える17種類の元素
です。
それぞれの栄養素はどんな効果があるの?
では、それぞれの栄養素が持つ効果を、それぞれ簡単にではありますが見ていきましょう。
炭水化物
人間の生命活動に使われるエネルギーの元である糖分の元がこの炭水化物。
人間はエネルギーがなければ、動くことはおろか、考えることすら出来ません。
ですから炭水化物は絶対に不可欠な栄養素なのです。
たんぱく質
たんぱく質は、人間の体の組織(髪の毛から指先まで)を作るアミノ酸の元です。
アスリートが摂取するプロテインもこのたんぱく質であるため、体を作るもの、というイメージもありますが、それはこの栄養素のもつ一面に過ぎません。
たんぱく質はインスリン・成長ホルモンなどの生成に係るばかりか、外界からの刺激(五感を刺激する光、におい、味など)を脳に伝達する役割をも担っています。
カルシウム
ご存知のように、カルシウムは骨、歯を作る材料となります。
しかし、そうした体を作る材料としてだけの効果のみならず、カルシウムは脳内の神経伝達物質の放出にも大きく係る栄養素です。
「イライラするならカルシウムを摂ろう」と言われるのは、このためです。
ミネラル
地球上には現在118種類もの元素が存在します。本来の言葉の定義ではこれら全てがミネラルに当たりますが、”人の生命活動に必要なもの”とされる17種類の元素が、栄養学的に言うミネラルに当たります。
17種のミネラルのうち、特に体にとって必要不可欠な以下の13種類が、”必須ミネラル”と呼ばています。
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、銅、亜鉛、セレン、ヨウ素、クロム、マンガン、モリブデン
これ等の他に、硫黄、コバルト、フッ素、塩素が加わった17種類が、人の体を形成し、健康を保つために必要なものとなります。
これ等のミネラルは、様々な効果を持っています。
例えばナトリウムは、細胞の水分量を調節して形を保ち、かつ栄養物質を受け取る役目を果たします。
そしてカリウムは、時に過剰摂取が問題となるナトリウムの量を調節し、細胞内の余分な水分を排出する働きを担っています。
リンはカルシウムと結合し、骨の成分となりますし、遺伝子の元となる核酸の成分にもなります。
――と、これらのミネラルは、他の栄養素と複雑に絡み合い、人の体を生かす重要な成分と言えるのです。
妊娠中、そして産後のお母さんの美容と健康を守るために必要な栄養素は?
妊娠中の女性にとって、お腹の赤ちゃんの健康が第一!…ではありますが、自分自身の健康、そして美容も疎かにしていいわけではありませんね。
妊娠中に無理をしすぎてしまうと、妊娠中毒症や早産を招く可能性も高くなりますし、産後だって、回復に時間がかかるばかりか、若々しさが失われてしまいます。
そうしたことを防ぐために、葉酸以外の、女性自身にとって必要な栄養素はどんなものかを知っておくべきです。
妊娠中、授乳中にお母さんに必要な栄養素はコレ!
亜鉛
亜鉛は体内で作られる酵素の成分であり、細胞分裂の助けとなるミネラルです。
同時に体の免疫力を高める効果をもっており、これが不足するとつわりが強く出る傾向があり、また細胞分裂を繰り返す赤ちゃんの成長にも大きく関わります。
授乳中も、お乳の中にはたっぷりと亜鉛が含まれています。
ですがお母さんの亜鉛が少ないと、初乳が出なかったり、赤ちゃんの免疫機能の構築にも陰りが出てしまいます。
ただ、亜鉛は白米をはじめとして、多くの食材に含まれている栄養素です。
自分自身のため、赤ちゃんのため、食事はきっちりと摂るようにしましょう。
カルシウム
赤ちゃんのために必要なカルシウムは、実はお母さんの体内から供給されているものです。
お母さんがカルシウム不足になると、胎児の骨や歯が弱くなるばかりか、自身の骨や歯が弱ってしまうことに繋がります。
高齢の女性に骨粗しょう症が多いのは、ここに関係があるのです。
カルシウムは乳製品に多く含まれていますし、小魚等、手に入りやすい食材に多く含まれている成分です。
ただ、これらを単体で食べるのではなく、吸収を促進する他の成分も一緒に摂取することを心がけましょう。
→ビタミンD:カルシウムが体内に吸収されやすくし、骨の生成を助ける
→マグネシウム:カルシウムとマグネシウムは、お互いの働きをそれぞれ助ける効果を持っています。どちらが十分にあっても、一方が不足していると上手にその機能を果たすことが出来ません。
→リン:カルシウムと結びつくことで、硬く丈夫な骨と歯を作ります。
鉄
鉄はご存知の通り、血液の源。厳密に言うと、赤血球の成分であるヘモグロビン(酸素を運ぶ役目を担う物質)の材料です。
妊娠すると、女性の血液量は普段に比べて何と1.5倍にまで増加します。
しかし同時に、摂取した鉄の多くを胎児に受け渡すため、本当に意識して鉄分を摂ろうとしないと鉄欠乏性貧血が起こり、赤血球の数が減り、酸素の供給が間に合わずに、動悸、息切れ、めまいなどの不調を受けるようになります。
勿論、胎児にも酸素は必要不可欠ですから、この状態を放置すれば、赤ちゃんの発育に影響が出ることもあります。
鉄分を含む食材は多くありますが、カルシウム同様、鉄の吸収を助ける成分が存在します。
中でもその効果が高いのは、ビタミンCです。またやはり葉酸も、鉄分の吸収を助ける成分です。
他にもクエン酸、ビタミンB6、ビタミンB12が挙げられますが、これらは肌の調子を整える成分だったり、疲労回復、神経の機能を正常にする効果があるため、若々しさを維持するのに最適と言えるものです。
こうしたものを一緒に摂取すれば、貧血を防げるばかりか、妊娠中、出産後の美容と健康に大いに役立ちます。
妊活中・妊娠中にどんな葉酸サプリを摂るべきか
これまで、妊活中、妊娠中に必要な栄養素について見てきました。
そして一番最初に触れた通り、一番摂取すべき栄養素は葉酸であり、また他の栄養素も軽んじられないことはご理解いただけたかと思います。
それらを踏まえて、女性はどんな葉酸サプリを摂るべきなのかを見ていきましょう。
妊娠中、口に入れるものには気を配りたい!
特に既に妊娠している女性にとっては、サプリメントに関わらず、口に入れるものに対する関心は、高ければ高いほどいいでしょう。
自分だけならばまだしも、お腹の赤ちゃんに間違ってもよくないものを与えたくありませんものね。
それに、同じ成分をうたったサプリメントであっても、その成分や、添加物によっては、いい効果どころか、別の疾患の原因になることがあるのを忘れてはいけません。
そう考えると、科学的に合成されたものではなく、出来る限り”天然の成分”、かつ”添加物が少ない・またはないもの”を選ぶべきと言えます。
余談ですが、一点勘違いしてはいけないのは、”全ての合成成分が悪というわけではない”、という点です。
勿論、天然成分のみを使用したサプリメントは、人にとって吸収しやすく、また安全というイメージがありますが、天然成分故に、その元となる食品の良し悪しが天候等に左右されがちです。
またサプリメントとして加工する際のコストの変動、天然成分故の独特の匂いなど、難点も確かに存在するのです。
対して合成成分であれば、いつでも同じ品質を保つことが出来、天然のものよりも不純物が少ないなどの利点もあるのです。
ですから、全ての合成成分が悪というわけではないことだけは、どうか覚えておいて頂きたい点と言えます。
では、どんな風にそれを確かめればよいのでしょうか?
このサプリメントは天然か、添加物の有無は… 何処を見るべき?
そこでまず確認したいのが、サプリメントの外装(箱、容器、袋)の裏面にある”成分表示表”です。
この成分表示表は、”食品表示法”により、食品名、内容量、賞味期限、保存方法、製造者などの情報と共に”その食品に含まれる原材料”について記載しなければならないことが決まっています。
この原材料の欄において、注意すべきは以下の点です。
- 原材料名に野菜や果物、ハーブ、油の種類などの”食品の名前”が表示されている:天然成分
- 原材料名に”葉酸”、”ビタミンA”、”亜鉛”といった”成分名”が記載されている:合成成分の可能性が高い
※この表示は日本国内で販売されているものに限ります。個人輸入品などの海外の製品の場合には表記が異なります。
では、添加物はどうでしょうか?
サプリメントの多くは錠剤ですが、多くの粉々になった原材料を、飲みやすい粒状に固めるために使われるのが、この場合の添加物だと考えて差し支えはありません。
サプリメントを手軽に飲みやすくするため、この添加物は無くてはならないものですから、含まれていたとしても全てが悪いものとは言い切れません。
この成分にも、天然のもの、科学的に合成されたもの、2つが使われていることがあります。
やはり、ここでも原材料の欄に書かれているものが”食品の名前”である場合は天然成分、対して、聞き覚えのない名前のもの――”ショ糖脂肪酸エステル”等、一見して化学物質と分かる名前がある場合には、合成成分と考えていいでしょう。
サプリメントの中には、添加物を一切使用しない無添加のものもあります。
勿論、この場合、原材料にもそうしたものの名前はありませんし、とことんこだわりたいのであれば、こうした無添加のものを選ぶといいでしょう。
成分表から読み解く、もう一つのチェック項目とは
ただ驚くべきことに、サプリメント1錠につき、商品がうたっている栄養素の割合はわずか1割程度で、残りは全て添加物、という一種”粗悪品”と言っても過言ではないものさえ存在します。
こうした粗悪品を手にしないためにも、成分表の情報をじっくり観察する必要が、消費者にはあるのです。
何の気なしに手にした加工食品の原材料名――その並び順がどう決まっているかというと、ズバリ”その食品に含まれている原材料の割合が高いもの”から記載することが決まっています。
ですから、”葉酸サプリメント”をうたう商品であるならば、本来は葉酸の原料となったもの(ケール等の野菜名)、もしくは”葉酸”の記載が一番最初にあるべきです。
しかし、添加物の名前が先にある場合は、これは”葉酸の成分よりも添加物が多い”商品であることが分かります。
もう一点、成分表に書かれている原材料で、不安に思うことがあるならば、是非その名前をウェブ検索などで調べてみましょう。
実は、大丈夫だと思っていた成分に対して、自分がアレルギーを持っているものだった(例として、甘味料として使われる”ラクトース”は乳製品に含まれる”乳糖”の別名です)、ということもある得るからです。
サプリメントの安全基準はどう定められているの?
日本には、”GMP”という安全基準が存在します。
これは本来、医薬品・医薬部外品の製造管理及び品質管理基準であり、本来ならばサプリメントの製造には関わりがないものです。
しかし、サプリメントの本来の目的である”人の体の健康の維持を補助する食品”という観点から、サプリメントの製造にもこの基準を取り入れている企業が増えてきました。
これを定めているのが、日本健康食品規格協会という協会であり、この協会の検査に合格したものには、このマークの記載が認められています。
国内工場で製造、販売されているサプリメントを選ぶ際には、このGMPの認証を受けているものを選ぶと間違いはないと言えるでしょう。
対して海外――特にアメリカで販売されているサプリメントは、FDA(アメリカ食品医薬品局)が認証しているものを選ぶと安全です。
それ以外の海外で製造されたものに関しても、日本企業が海外工場で作られているものも存在しますが、FDA、またはGMPの認証を受けているものを選ぶといいでしょう。
サプリメントは価格が高ければいいもの?
妊娠初期から出産、そしてその後1年間授乳をするとして、その間の2年近く、毎日葉酸サプリメントを摂取しようと考えると、いかんせんその値段が気になってくるところです。
ですが、自身と子供のことを思えば、少しぐらい高くても――と思うのも当然ですが、葉酸サプリメントに関わらず、多くのサプリメントは”高ければ高いほどいいもの”とは限りません。
まず、ドラッグストアなどで陳列されている一般的なサプリメントは、大企業が販売しているものが大半を占めるため、手に入りやすく安心感もありますが、こうしたものはパッケージから販売用ポップ、宣伝費(TVCM含む)など、様々な経費が上乗せされた価格であり、割高なことは否めません。
しかし、少しインターネットなどで探してみるだけで、大手会社のものと同等、またそれ以上に効果のあるものや、パッケージに拘らなかったり、製造から梱包までを自社で一括管理しているため、価格を安く抑えられているものなど、多数存在します。
価格の高さは、それだけその製品の信頼性を裏付けるものではありますが、高ければ絶対にいい、とは言い切れないことを念頭に置き、その上で
- 必要な成分の含有量
- 吸収率の良さ
- 原材料、添加物の有無
といったことをサプリメントを選ぶ基準にするといいでしょう。
続けて服用するなら、”定期購入”がお得!
インターネットが普及した昨今では、店舗での購入の他、インターネット通販でのサプリメント購入も、珍しくなくなってきました。
何より、こうしたインターネット通販を利用する場合、多くの会社において”定期購入”プランが用意されています。
定期購入プランでは、送料が無料に加え、価格が定価の10%オフになっていたり、定期購入の人にのみ追加される特典が付いてくることもあり、とてもお得です。
何より、出産後、自宅から出ることもままならないような時でさえ、自宅に届けて貰えるのですから、これもありがたい点です。
「この葉酸サプリを飲もう!」と決めたならば、是非、その商品を販売している会社のサイトを確認したり、各種インターネット通販会社の定期購入プランがないかなど、情報を探してみることをお勧めします。
忘れがちな”飲みやすいサイズ”、”1日の服用量”もポイント
いざ、葉酸サプリメントを購入してみたものの、錠剤が大きくて飲み辛い・一日に何十粒服用しなければならない、ということも珍しくありません。
こうしたことが苦にならない人もいますが、妊娠中は少し飲んだり食べたりが辛いことが(特に妊娠初期のつわりがある時など)あります。
実際、筆者が飲んでいたある葉酸サプリメントは、葉酸やその他の成分の含有量には満足していましたが、小粒ながら一日に数十粒の服用が推奨されており、かつ苦い草の香りがするもので、吐きづわりの時期には、なかなか苦しい思いをした経験があります。
商品のパッケージや、サプリメントを販売している会社のホームページ上、そして口コミサイトには、そうした1錠の大きさや服用量、飲みやすさについての情報がありますので、購入の際の参考にしましょう。
妊娠しやすい体を作るために、葉酸以外にはなにを摂るべき?
これから子供が欲しい、妊活中の女性にも、葉酸は重要なことは既に述べました。
しかし、やはり葉酸以外にも、様々な栄養素が、妊娠には必要であり、かつそれらは現代人の食生活において不足しがちなものばかりです。
特に、妊娠を望む年代の女性は、何かと自分の美容や体型・体重に気を配るために、どうしても栄養素が偏りがちになっています。
ですから、健康な赤ちゃんを授かるためにも、食生活を見直すと共に、自分に足りないと思う栄養素はサプリメントで補う必要があります。
男性のためだけじゃない!マカサプリが妊活女性に必要な理由
まず必要と言われるのは”マカ”です。
そもそもこのマカは、南米で栽培されているカブのような植物です。
ただ、マカと聞くと、「それって男性用のものじゃないの?」と疑問を抱くことでしょう。
しかし、そんなことはありません。女性にとっても、このマカは、妊娠にあたってとても重要な栄養素なのです。
確かに、マカには精力剤としての側面もあるため、男性用と思われがちですが、実際には以下の様な効果があるのです。
- 乱れた血流を整える
- ホルモン分泌の正常化
- 疲労回復効果
- 滋養強壮
- 免疫機能の向上
他にも、冷え性の改善、美肌効果、骨粗しょう症の防止等、様々な効果を持つことが分かっています。
男性にとって性欲は、生命の根本に係る欲求です。マカを服用することによって、性欲の現象の原因となっていた疲労回復、体調の改善が起きるため、結果として性欲が向上するので、性欲剤だと考えられているのですね。
ですが、どちらかというと、マカは、不妊に悩む女性にこそ必要な成分を多く含んでいます。
何故なら、マカの成分には、女性の生理を司る”女性ホルモン”(卵胞ホルモン・黄体ホルモン)の元となるアミノ酸が豊富に含まれている他、血流の正常化、冷え性の改善と、不妊の原因の改善する効果が期待されるからです。
生理不順に悩んでいるのであれば、マカサプリは是非とも摂取したいものの一つと言えるでしょう。
普通の鉄とどう違う? 妊活に重要な”ヘム鉄”とは
続いて、妊娠しやすい体を作るのに必要不可欠な成分は”ヘム鉄”です。
鉄分の必要性は先にも触れましたが、実はこの鉄は、ヘム鉄と非ヘム鉄に分けられます。
それぞれの違いは以下の通りです。
- ヘム鉄:主に肉、魚などの動物性の食品に含まれる鉄分。動物性のため、人間にとって消化吸収しやすい
- 非ヘム鉄:主にほうれん草・小松菜などの野菜などに含まれる鉄分。人間にとって消化吸収されにくい
2つの鉄分の吸収率の違いを比べると、ヘム鉄は10〜20%に登るのに対し、非ヘム鉄では多くても6%程度と、その違いは歴然としています。
鉄分不足は貧血を招くだけでなく、黄体ホルモンの分泌を弱めてしまうため、子宮内膜が十分に発達せず、結果として受精卵が着床しにくい状態を作り出します。
ですから、同じ鉄分を摂取するにしても、吸収効率のいいヘム鉄を選ぶといいでしょう。
ただし、特にヘム鉄を含む食材として有名な動物のレバーには、ヘム鉄と共にビタミンAが多く含まれています。
このビタミンAは妊娠初期に過剰摂取すると、胎児にとって奇形などの悪影響を及ぼすことが分かっています。
ですから、妊娠前にレバー等を食べることは有効ですが、それ以降はこの弊害を避けるために、ビタミンAを含まないヘム鉄のサプリメントを摂取するといいでしょう。
妊活の大敵の”体の冷え” 改善するのに有効なものとは
多くの女性が抱えがちな冷え性も、妊娠にとって大きな障害となります。
体が冷えてしまうと、血流が滞り、毎月の生理も十分に起きなくなるばかりか、せっかく卵子と精子が受精を果たしても、着床すべき子宮内膜が十分に成長せずに受け止められなかったりと、いいことは全くありません。
こうした冷えを改善するためには、何が有効なのでしょうか?
ルイボスティーは冷えに苦しむ妊活中女性の救世主!?
冷えの改善に有効なものはいくつかありますが、日々口にする水分を”ルイボスティー”に変えるだけで、冷え性は大きく改善します。
ルイボスティーは一般のスーパーでも、ペットボトルやティーバッグで販売されているため、その存在を知る女性は多くいることでしょう。
しかし、”ノンカフェイン”であることを知る人はいても、他にどんな効果があるのか、知らない人が多いでしょう。
実は、ルイボスティーには、とても多くの効能があるのです。
- 抗酸化作用:ポリフェノールを豊富に含み、体を酸化させる活性酸素を抑える。これにより、美肌効果や花粉症の改善のみならず、卵巣(卵子)の老化(不活性化)を防ぐ
- 鎮痛効果:ルイボスティーに含まれるフラボノイドが鎮痛作用を持つ
- 便秘解消:腸内の悪玉菌を排除し、便通を良くする
- ダイエット効果:ノンカフェインでありながら、ミネラルを多く含むため、尿による毒素の排出が向上し、むくみの改善、ダイエット中の偏りがちな栄養補給が可能
――と、挙げればキリがないほどです。
何より、ここで注目したいのが含まれるミネラルの多さです。
ルイボスティーの中には、ポリフェノールの他、ナトリウム、鉄、カルシウム、カリウム、マグネシウム、同、亜鉛…と、実に多くのミネラルが含まれています。
これらのミネラルは、今まで触れてきたように、妊娠に必要な成分であるだけでなく、女性の体の正常化に役立ちます。中でも亜鉛は免疫力の向上だけでなく、体内のエネルギー消費を活発にします。
エネルギーが消費されるということは、つまりその分、体内で熱が生まれやすくなるということです。
このように、妊活、および冷え性の改善にはルイボスティーが最適と言えるのです。
口コミで話題の”妊活ベビ待ち茶”の効能は?
妊活についてインターネットで検索をしていると、”妊活ベビ待ち茶”という名前を目にする機会が多いでしょう。
実際、このお茶を飲むことで、妊活に成功し、無事に妊娠することが出来た!という喜びの声もまた、多く目にします。
このお茶の、何が妊活に適しているというのでしょうか?
まず、このお茶は8種類の天然素材――ハーブを原料にしている点が挙げられます。
先に触れたルイボスに、排卵に欠かせない卵胞ホルモンの活性化に役立つ”タンポポ根”、妊活に不可欠な葉酸を多く含む”ネトル、食物繊維の塊ともいえる”コーン”、ビタミンCが豊富で鉄分の吸収を助ける”ローズヒップ”、体を温める効果で有名な”生姜”(ジンジャー)、卵胞ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンを含む”黒大豆”、そして気分を晴れやかにする柑橘類である”柚子”、これらのみが使われているのです。
ハーブティーの効果は、今や知らない女性はいないほど身近なものではありますが、時に「体にいいよ」とは言われても、繰り返し飲むのが苦痛に感じるほど、苦かったり、独特の香りがあるものも少なくありません。
特に複数のハーブをブレンドしたものになると、それぞれの香りが喧嘩をしてしまい、「リピートは無理だな…」と感じることもしばしばです。
しかし、この妊活ベビ待ち茶に関して言うと、美味しいと感じ、リピートすることが苦にならない、という利用者の声が多いことから、試してみる価値は十分にあると言えるでしょう。
また、1杯の値段は33円程度であり、1日3杯飲んでも100円ほどと、続けるのが難しい値段でもありません。
更に定期購入をすることで、割引もありますし、もし「やっぱり私には合わないな」と感じた時には、即、購入を辞めることも可能です。
自然に自分の体を更新し、自然に赤ちゃんを得たいと思うのであれば、こうした自然の力を借りることも一考にしましょう。
飲酒は妊活に適さない!? その理由とは
妊娠後に、喫煙や飲酒はすべきでないことは、もはや周知の事実ではありますが、妊活中からも飲酒が適さない、という話を聞いて、ショックを受ける人もいるでしょうが、これは残念ながら事実です。
何故、アルコールが不妊に繋がるのかというと、それは摂取したアルコールが肝臓によって分解される工程に原因がありました。
本来、本人の意思に関わらず、人体にとってアルコールは”毒物”と認識されます。
体内に入ってきた毒物は、肝臓により無毒化され、体外に(汗や尿と共に)排出されるのですが、この分解の途中、血液中に大量の活性酸素が発生し、溶け込んでしまうのが問題なのです。
活性酸素は、体を”サビさせる”物質、つまり老化を引き起こす原因とされていますが、卵子を内部に蓄え、排卵の時期を待っている卵巣に対しても、等しく酸化攻撃を加えます。
活性酸素の攻撃を受けた卵巣は、卵胞ホルモンの刺激を受けても、十分に卵子を成熟させることが出来ません。
結果、受精に耐えられない不完全な卵子が排卵されたり、排卵自体が起きなかったりと、不妊の状態に陥ってしまうのです。
「じゃあ、抗酸化作用のある赤ワインだったら大丈夫じゃない?」と思う人もいるでしょう。
実際、赤ワインを適量(食事中にグラス1杯程度)飲む場合には、活性酸素よりもポリフェノールの働きが勝り、妊娠やすくなるという声もあります。
ただ、お酒を好きな人が、完全な禁酒をした場合、逆に多くのストレスを抱えることもあります。
ですから、妊活をしようと考えたのなら、徐々にお酒の量を減らしていき、同時に妊娠に適した体を作りつつ、無理なくお酒を飲まずにいられるよう、長期的なスケジュールで取り組むのも、一つの手でしょう。
ただ一点、絶対に注意しなければならないのは、過度な飲酒は着床およびその後の受精卵の成長に影響がある、という点です。
妊活をするのであれば、特に排卵時期以降は、お酒を飲むのを控えるのが賢明です。
普段の食事でも、葉酸を含む食物を意識して摂ろう
いくら葉酸サプリメントがあるからといって、食事で葉酸を全く摂取しようとしないのも、考えものです。
サプリメントはあくまで”補助”であり、日頃から葉酸を意識して摂取し、妊娠しやすい体を作るのは、妊活の基本中の基本と言っても過言ではありません。
葉酸が豊富に含まれている食材は、鳥、豚、牛の”レバー類”、そして”緑色の濃い野菜”、豆類、きのこ類…と続きます。
ですが、葉酸は熱に弱く、かつ水に溶けやすい性質があるため、調理の際の手順が増えるとそれだけ葉酸が減ってしまうことになります。
そして、レバー類から摂取しようとすると、反面カロリーが高くなったり、ビタミンAの過剰摂取にも繋がりますから、困り者ですね。
そこで活用したいのが、野菜の”レンジ調理”です。
緑の濃い野菜はアクが強く、しかも生のまま100gを食べようと思うと、それこそボール1杯分以上食べなければなりません。しかし湯がけば水分に葉酸は溶け出してしまう――そうした弱点を、レンジ調理であれば解決することが可能なのです。
レンジ調理で温野菜のサラダにすれば、葉酸以外の栄養素も壊れにくく、また体の冷えも防ぐことができます。
また、水に溶け出した葉酸ごと食べることができる、スープにするなど、調理法を変えることで、食事での摂取効率を上げることは出来ます。
葉酸サプリメントに関するQ&A
葉酸サプリメントは、一日のどのタイミングで飲むべき?
「サプリメントなら、いつ飲んでも効果は変わらないんじゃない?」と考えがちですが、これは間違いです。
どんなサプリメントでも、空腹時、つまり胃酸の分泌が少ない時間に飲んでしまうと、消化・吸収に時間がかかるばかりか、”普段と違うタイミング”で胃酸を出さなければならなくなるため、胃に負担がかかってしまいます。
ですから、もともと胃腸が弱い、つわり中のような”胃腸が弱っている時”のタイミングは”食後すぐの30分以内”だと言えます。
対して、妊活中、また安定期に入った妊婦さんであるならば、食事と食事の間の空腹時、つまり”食間”に摂取するのがベストです。
特に就寝前に葉酸サプリを摂取すると、胃腸での吸収量が起きて活動している時よりも高くなることが分かっています。
そのため、いわゆる”おやつの時間”である10時、15時、そして就寝前と分けて飲むといいでしょう。
葉酸は、一日にどれぐらいを目安に摂取すべき?
では、葉酸は食事・サプリメントを含め、1日にどれほどの量を目安に摂取すべきなのでしょうか?
これについては、厚生労働省が2015年に策定した”日本人の食事摂取基準”から抜粋すると
18歳〜29歳の女性:推奨量 240/耐用上限量900
30歳〜49歳の女性:推奨量 240/耐用上限量1000
妊婦の場合は推奨量に+240μg=480μgを、授乳婦の場合は推奨量に+100μg=340μg
※単位はすべてμg(マイクログラムであり)、1000μgは1mg(グラム換算では0.001g)です
とされています
特に妊娠初期の女性の葉酸推奨摂取量が400μg以上なのは何故?
妊娠初期、つまり受精卵が無事に女性の子宮内に着床した時期から、受精卵は成長に必要な栄養素を、徐々にお母さんから取り入れだすようになります。
そしてこの時期は同時に、心臓を始めとした内蔵や、脳、脊髄、手足などを形成するために、急激な速さで細胞分裂を行っているのです。
この細胞分裂を正常に行わせる成分である葉酸が不足すると、通常ならば1本の線であるべき、脊髄がうまく作られず、神経管閉鎖障害や、ダウン症、無脳症といった先天異常を起こすリスクが高まります。
これを避けるための摂取量が400μgであり、これは厚生労働省の勧告でも明記されている数値です。
妊娠初期には、特に葉酸を摂ることを心がける必要があるのです。
現代日本人の葉酸摂取量は200μg程度である現実
しかし、妊活中の女性や妊娠中の女性のみならず、現代日本人のほとんどが、1日に200μg程度しか葉酸を摂取していない、という現状があります。
これは、食の欧米化が進み、自動的に葉酸を多く摂取できていた日本食を食べなくなったことが一番の原因と言えるでしょう。
野菜が足りないと思った時にしか積極的に野菜を食べなかったり、時間がないため、簡単に摂取できる野菜ジュースに頼る、既に加工されているパック入りのサラダを選んだりと、葉酸の摂取が期待できる食品を選ばなくなっているのも、大きな要因の一つです。
この200μgという数字は、男性でも(そして妊娠していない)女性でも、推奨摂取量に足りていません。
疲れが取れないどころか、体の調子が今ひとつ、という状況は、蔓延している葉酸不足による部分も、決して否定できないのです。
ほうれん草で必要量を摂取する場合の量は、なんと8束分!?
ただ、食事だけでこの量を摂取しようとすると、ほうれん草のおひたしで換算しても、なんと8束分、生のほうれん草でも4束という、普通では不可能なほどの量を食べる必要が出てきます。
「私はほうれん草大好きだから大丈夫!」と思っていても、これが毎日続くと、流石に飽きてくるというもの。
しかし、もっと注意しなければならないのが、ほうれん草に含まれている成分である”シュウ酸”の存在です。
シュウ酸とは、ほうれん草のもつエグみの正体でもある物質であり、このシュウ酸の過剰摂取は腎臓、尿道などにできる”結石”の元となるのです。
この結石、時に「出産よりも痛い」と言われるほどの激痛を伴う疾患で、腎機能の悪化、排尿困難、血尿などの原因にもなります。
出来た場所、大きさによっては、超音波で砕いて尿で排出する治療法もありますが、いずれにせよ、七転八倒の痛みに苦しむことになりかねません。
カルシウムと共に摂取すれば、結石の発症リスクは軽減できますが、こうしたリスクを背負ってでも、ほうれん草を毎日大量に食べるのは、現実的とは言えませんね。
頑張って食べ物で摂取しても、吸収率は50%
そしてもう一つ、食事によってのみ葉酸を吸収したい方には、あまり嬉しくない情報があります。
それは、食事によって天然の葉酸を得ようとしても、その吸収率は50%ほどでしかない、というデータです。
これはほうれん草に関わらず、他の食材でも同じことです。
どんなに調理法を工夫し、1日に沢山葉酸を含む食物を食べても、半分は吸収されないとなると、苦労をする甲斐が感じられなくなってしまいますね。
ただ、間違っても「じゃあ、もう食事から葉酸を摂ることは諦めて、全部サプリメントに頼ろう!」と考えてはいけません。
食事で得られる栄養素は、何も葉酸だけではありません。そして食べることは、人間の一つの欲求であり、幸福感を得る重要なファクターなのです。
サプリメントはあくまで補助食品であることを忘れず、食事でも出来るだけ葉酸を取り入れられるようにする。
これは、将来子供が生まれてからの”食育”にも通じることですから、是非、今のうちから”栄養は食べて得る”という大前提を身に付けましょう。
葉酸を摂り過ぎると弊害がある!? 1日の摂取上限は?
ただし葉酸は”耐用上限量”、つまり摂取制限が設けられています。
これ以上を摂取すると、発熱、かゆみ、呼吸障害といった”葉酸過敏症”を発症する可能性があります。
しかし、食事による摂取の難しさは、今まで触れてきたように、食事のみでこの上限を超えることは、ほぼないと言っていいでしょう。
そして、各社から出ている葉酸サプリメントのパッケージにも、一日の摂取量の目安が記載されていますから、これを超えて摂取することを避ければ、耐用上限量を超えることはまずありません。
例え1日飲み忘れがあったとしても、翌日に倍量を飲む、ということなどはしてはいけません。
毎日コツコツ、同じ量を摂取すれば、特にこの耐用上限量を気にする必要はないでしょう。
他に飲んでいる薬と併用して問題はない?
継続して飲み続けたい葉酸サプリメントですが、普段服用している薬との飲み合わせで気をつけなければならないことがあります。
それは薬の種類によっては、葉酸サプリの効果が低下してしまう類のものがあるという点です。
その一部を挙げてみましょう。
- ピル、アフターピル(モーニングアフターピル):女性ホルモンを含んだ経口避妊薬
- トリメトプリム:尿路感染症の治療薬
- フルオロウラシル、カペシタビン(抗腫瘍薬):抗癌剤
- バルビツール:睡眠薬
- アスピリン:解熱鎮静剤
これらの薬と葉酸サプリメントの相性は悪く、”薬が葉酸の吸収を阻害する”、”葉酸サプリが薬の効き目を弱める”といったことが起きる危険性があります。
もし、持病の治療などで普段から服用している薬がある場合は、主治医に葉酸サプリメントの服用が可能かどうか、まず確認する必要があると言えます。
ただ、アスピリンのような、常備薬として市販されているようなものを(生理痛などで)服用する場合は、薬と葉酸サプリを飲む時間を最低でも2時間程度開けるとよいでしょう。
生理中に葉酸サプリメントを飲んでも問題はない?
生理中に葉酸サプリメントを飲むことは、むしろいい効果が期待できる、とされています。
それは、葉酸の持つ”造血作用”、”粘膜の正常化”、”貧血の予防”といった効果が、生理中の悩みの改善に繋がるからです。
更に酷い生理痛も、造血作用により血流が増えるため、痛みの原因となる成分をも一緒に押し流す効果もあり、まさにこれしかない!と言えるほどです。
実際、生理不順や生理痛の治療においても、葉酸を処方する病院もあるほどですから、生理中にも葉酸サプリメントを飲むようにしましょう。
葉酸サプリメントに含まれる脂溶性ビタミンとは?
脂溶性ビタミンとは、要するに”脂に溶けやすいビタミン”のことを指します。
具体的には、ビタミンA、D、E、Kといったもので、これらを過剰摂取すると、主に肝臓内に蓄えられ、頭痛、吐き気、貧血といったものから、尿毒症、腎結石などを引き起こす危険があります。
対して水溶性ビタミンは、水に溶けやすいビタミンであり、過剰摂取しても基本的には尿と一緒に排出されます。
問題は、葉酸サプリメントの中には、こうした脂溶性ビタミンが豊富に含まれているものがある、という点です。
粗悪品のサプリメントになると、葉酸+マルチビタミンをうたって、こうした脂溶性ビタミンの含有量が高すぎるものもあります。
もちろん、脂溶性ビタミンだって、基本的には体に必要な栄養素です。
ですから、脂溶性ビタミンが含まれている葉酸サプリの全てが悪いものだ、というのも早計です。
問題なのは、それが過剰摂取にならないかどうか、という点だということは忘れず、購入前にはしっかりと成分表示と含有量をチェックすることをお勧めします。
摂取するタイミングが遅れても大丈夫?
葉酸サプリメントは、妊娠初期から飲み始めるのが最も効果的ではあります。
しかし、葉酸の必要性に気付いた時には、既にその時期を超えてしまっていた、という時に問題はあるのでしょうか?
これに対しての答えは「問題ない」です。
勿論、既に、体内の赤ちゃんに先天性疾患が生じてしまっていた場合、葉酸を後から飲んでもこれを治すことは出来ません。
しかし、妊娠中期以降も、赤ちゃんはどんどん成長しているわけですから、葉酸の助けがあれば、その成長の助けにすることは可能です。
そして何より、妊娠中期以降は、お母さんである女性のほうに、貧血や動悸・息切れといった症状が出やすくなる時期ですから、葉酸を摂取することは、全く遅いことではないのです。
ただ「今まで飲んでなかった分、書かれている摂取量より大目に飲んだほうがいいのか?」という問いに対しては、「間違っている」と答えざるを得ません。
葉酸過敏症を発症する可能性がありますし、何より赤ちゃんに影響が出てしまい、喘息を発症する可能性が出てくるからです。
葉酸サプリメントを服用する時は、必ず”1日の摂取基準”を守るようにしましょう。